玄文講

日記

なにもなし

2004-11-30 22:49:57 | 個人的記録
9時半だというのに薄暗くてさわやかには程遠い朝に、寒さをまぎらわすため煎茶を飲んで暖をとっていたところ、6杯目を飲んだあたりで気持ち悪くなり何度も吐いた。
1回目の嘔吐の時は、茶で薄まって酸がほとんどない胃液を吐き、7回目の嘔吐の時には既に胃液は出尽くしていて何も出なかった。
こうして私の一日が始まった。

気分は重くて、ゆううつであった。
研究会の原稿はまとまらず、プログラムからエラーは消えず、論文の計算は止まり、分からないことが山ほど出てきて、金はなく、セキは止まらず、鼻水も出始め、靴には穴が開いていて、パンフレット用のイラストを明後日までに作らないといけない。

今日は嫌な日である。
それなのに私の目に映る世界は美しい。

1点の曇りもなく鮮やかな真紅に染まる小さな紅葉の群れ。
鉛色の雲の隙間から差し込む太陽の光。
自転車置き場に散乱したモミジ。
黄色からオレンジ色にグラディエーションしていく背の低い植え込みの列。
そして枝分かれを繰り返し空に網の目状に広がった枯れ木からは大学の校舎が覗いている。
どれもこれもが美しい。

こんなヘドが出るほど最低な日だというのに、それでも世界は相も変わらず美しく存在している。
こんな日くらいは私に遠慮して醜くなってくれてもいいようなものなのに、あてつけるように世界は素晴らしい。

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