食品のカラクリと暮らしの裏側

食品の安全・安心が総崩れ、また政治・社会の矛盾や理不尽さも増大
暮らしの裏側の酷さやまやかし、危険性・不健全さに迫る!

豊洲市場の安全宣言は欺瞞、有識者はさらなる莫大な追加工事が必要と指摘/魚を大事にしない日本人R1-13

2017年05月23日 | 江戸前から繋がる世界
Fishfftp

魚を大事にしない日本人シリーズ R1-13
ROUND1 江戸前から繋がる世界の海 Part3豊洲新市場の危険性(移転すべきではない)
豊洲市場の安全宣言は欺瞞、有識者はさらなる莫大な追加工事が必要と指摘

F1133499692 豊洲地区

■農水省も土壌汚染地の卸売市場設置に「想定し得ない」(あり得ない)見解
自民党と公明党は豊洲市場への移転促進を“政争の具”にしており、本末転倒、非常に腹が立ちます。飽くまでも、卸売業者等の健康や消費者の安全・安心の観点から判断すべきです。そんな折り農水省が、「土壌汚染された土地の上に、卸売市場をつくることはとんでもない」という見解を示しました。詳しい資料も作成されており、「一般の土地利用であれば、汚染を遮断さえすれば可能である。しかし生鮮食料品を取り扱う卸売市場用地の場合には、想定し得ない」と書かれています。この場合の「想定し得ない」ということは、そもそも汚染土壌の上に生鮮食品の市場を作ることは想定外のことで、『とんでもない』(あり得ない)という意です。 農水大臣自らも、「東京都が汚染の除去の措置を行わず、盛り土等のみを行った状態で卸売市場の用地とすることを、想定し得ないものとの認識を持っている」と発言しました。私達消費者のほうがびっくりするぐらい、常識にそった明解な見解です。

都もかつて、「汚染土壌が無害化された安全の状態とは、汚染物質が全て除去・浄化され、土壌はもちろん地下水中の汚染も環境基準以下になること。盛り土による遮断。」と約束をしました。しかし依然、汚染物質は残され、盛り土さえされていません。にも関わらず地下水汚染が明らかになると、専門家会議の平田座長は「地下水は飲まないから問題ない。地上は安全。」と、無責任にも豊洲市場の“安全宣言”を下したのです。座長はその一方で、「施設下の地下空間には、気化した水銀・ベンゼン・シアンを含むガスが発生している」と、リスクを認めています。専門家会議とは別の有識者は、この結論(安全宣言)を、“学者バカ”と指摘します。一般論と前置きして、専門家の悪い癖は「与えられた条件」だけの狭い範囲でしか判断しないことだと言い切ります。従って今後、数十年・半世紀後の設備の老朽化、地震による液状化で汚染物質が発生することに大丈夫なのか、重大なる懸念が生じています。

■日本環境学会元会長は現行不備と設備老朽化時の危険を示す
ある発行物に、土壌汚染が専門の2人の日本環境学会元会長の厳しい指摘が示されていました。どちらも豊洲市場へは移転すべきではないとの見解なので、要旨をご紹介します。まず元大阪市立大学院教授の畑明郎氏は、専門家会議の“地上は安全”について、「地下の汚染物質を全て除去するか完全に密閉しない限り、地上が安全とは言えない」 「地上だけ安全は、技術的に不可能」 「専門家会議が示す地下空洞の汚染対策は、換気や底面をシートで覆うとしているが、それだけではガスや地下水が出てくることを防げない」 「盛り土がない12万㎡に、コンクリートを打つしかない」 「その上に、常に強制排水・強制換気が必要とするなど、地上の安全を保つにはさらなる莫大なコストを要する」。

次に元フェリス女学院大学長の本間慎氏は、「有害物質が土壌中に存在し、揮散(投稿者補足=きさん・揮発性物質が蒸発して広がること)している状態で、地上が安全というのは誤り」 「東日本大震災で豊洲は100か所以上が液状化、噴砂が発生した。今後起き得る地震で、地下の有害物質が噴出・気化し多大な影響を与える」としています。専門家会議が最近になって追加工事の案を示しましたが、環境基準以下の「無害化」が達成できるのでしょうか。このようにお二方は、現時点における地下盛り土がないことや安全対策が不足、その結果、将来における設備の老朽化と地震の影響で、危険度が増すことを強調されていました。

■豊洲市場に移転しないことが子供・孫世代の健康を守るための防御でもある
豊洲など東京湾岸地帯は東日本大震災で液状化が起こり、至る所でマンホール管が1mも浮き出しました。実際は地盤沈下で、一面が砂状になったのです。このように“安全宣言”は、将来に渡る災害時の危険が考慮されているとは言い難いのです。あなたは会社で、「予防原則」を教わったでしょう。まだ危険性が科学的に立証されていない段階でも、疑わしきは避けることです。現状はそれ以上で、既に危険性が立証されています。従って6,000億円以上の巨額が費やされたからといって、危ない豊洲市場に行くべきではありません。食べ物の問題は、私達だけでなく次世代にも影響します。半世紀・1世紀後に禍根を残さないために、今私達が正しい判断をすることが次の世代への義務・責任です。「安全な食を得る」~私達自身、かつ子供・孫世代の健康を守るための防御です。危険な豊洲へ行くより、「築地市場の再整備」、つまり大改築案のほうが遥かに賢明です。

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