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大阪万博⑥理念なき万博は中止せよ!数々のトラブル例紹介(1)カジノと一体の無謀開発/少数派

2023年11月09日 | 経済劣化・万博カジノ
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/カジノ・ギャンブルを許すな(大阪・関西万博)

大阪万博⑥理念なき万博は中止せよ!数々のトラブル例紹介(1)カジノと一体の無謀開発
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万博会場工事前の夢洲/3区がカジノ予定地

■万博・カジノに投じる費用を福祉に使えば大阪・関西の街は豊かになる
前号では、大阪・関西万博に2350億円を投じても終われは取り壊され、廃鉄・コンクリート片の産業廃棄物になる無駄。地球環境の悪化を防ぐために、持続可能なSDGsに逆行すると申し上げた。開催は2兆円の経済効果があると言われるが、経済効果の意味は単なる“お金が動いた”ことに過ぎない。関西圏の経済が伸びるのは幻想で、万博に続く“本命”の「カジノ」が始まれば、ますます大阪・関西の経済が沈むのは目に見えている。万博建築の2350億円、大阪・夢洲(ゆめしま)の埋め立てに使われる費用は1兆円以上。これを不足する高齢者施設や児童施設の建築とシステム作り、少子化対策や教育関係に使えば、どれだけ大阪・関西の街を豊かにできることか。2010年代から夢洲へ万博とカジノの誘致を一体に提案し安倍政権の協力を取り付けたのが、橋下徹元大阪市長や松井一郎元大阪府知事ら日本維新の会所属(当時)の首長だ。強引に推進した日本維新の会と自民党、公明党の責任は重大である。万博本来の理念を失った大阪・関西万博は、今からでも中止すべきだ。

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■パビリオンに留まらず基盤インフラの遅れや地震・津波・台風の対応ができておらず
今号は、多数に及ぶトラブル・懸念される問題をご案内する。ご覧になれば、万博事業が立ち行かなくなる大きな要因が分かる。誌面の都合で今号は<インフラ関係>とし、次号で<予算関係・その他>をお伝えする。なお11月3~5日に共同通信社が実施した最新の世論調査では、前号の毎日新聞より厳しく開催について「不要だ」は68.6%、「必要だ」は28.3%だった。

インフラ関係
・夢洲は産業廃棄物やゴミ捨て島として作られ土壌汚染や液状化の懸念
夢洲は、元々産業廃棄物や浚渫(しゅんせつ)土砂のゴミ捨て場として作られた人工島だ。ところが松井大阪府知事(当時)がトップダウンで、強引にこの場所での万博開催とカジノ建設を決めた。本来なら、汚染・液状化対策をしっかりやるべきだった。従って地盤は軟弱で、会期中でも土壌汚染(PCB・ダイオキシン・ヒ素などの有毒物質)や液状化(土砂の流動化)が懸念される。万博終了後も、液状化対策として1045億円(これで済まない)が計画される。

・会場出入口が2か所のみで工事の遅れや開催後も入場者制限が掛けられる
前述のゴミ捨て場の考え方だったので、工事物資の搬入ルートと会場へ行くには、北側の夢舞大橋と南東の夢咲トンネルの2本しかない(図参照)。慌てて地下鉄を延伸させる(24年度開通、大丈夫?)が、他は橋を渡るシャトルバスしかなく入場者数に制限が掛かっている。やむなく入場はオール予約制で、当日、自由に行けない。前回1970年の入場者は6421万人でも、今回は半分弱の2820万人の見込み。ただこの数字も、怪しまれている(次号、企業割り当て入場券の未使用の影響も含む)。

・地震・津波災害の対応ができておらず台風が襲ったら10万人以上の入場客が孤立
地震・津波災害の対応ができておらず、台風でも水没の恐れが予想される。18年・関西を襲った台風21号は関西空港が水没し、連絡橋にタンカーが激突した。同じような台風が来れば、会場は暴風雨や水没の危険で大混乱する。前項の地下鉄駅の水没や2つの橋が強風で閉鎖されたら、10万人以上の入場客が孤立する。所詮、“孤島”のような場所で、大規模なイベントを行う無理と危険性を分かっていない。

・会場電力網の完成24年5月、何と下水道網は開幕直前の25年1月
投稿者が驚いたのが、ライフラインと言われる基盤的な電力網と下水道網の工事完成も遅れていることだ。部分的にラインが引かれても、会場の電力ラインの全規模完成が24年5月、下水道に到っては何と開幕直前の25年1月。設備の維持安定に長期間取ることも為されず、検査も簡略化されるのであろう。生命に関わる重要な工事に関わらず、こんな安易なことは許されない。これも原点に戻るが、閉幕したら、ほとんど取り壊される。この間、大阪府市内の老朽化した水道管の取り換えが蔑ろにされる。

・開催中も隣地のカジノ建設を進めるため工事車両との交錯・交通渋滞や騒音懸念
大阪府・大阪市、日本維新の会が本当に進めたいのが、「カジノ建設」だ。万博は、その前座に過ぎない。本来なら万博とカジノの同時開場だったが、遅れに遅れ30年頃と言われている。可能な限り工期を取り戻すため、万博開催中にも関わらず工事を行う。前述のように夢洲へのアクセス道路が2本しかないことから、一般客を運ぶバスの間を工事車両が走り、交錯などの事故、交通渋滞、工事騒音が懸念される。

・工事関係者の残業規制の撤廃要請「いのち輝く未来社会のデザイン」万博テーマに反する
万国博覧会協会と日本維新の会は、工事遅れ打開のため工事に従事する労働者に時間外労働の上限規制を適用しないよう政府に要請した。この規制は労働者の命と安全を守るため、24年4月に建設業界に導入されるもので除外は論外だ。規制がそのまま適用されても、工期が迫る中で開催に突き進めば、違法な長時間労働が横行するのは必至。過労死や事故死など労働者を犠牲にした突貫工事は、「いのち輝く未来社会のデザイン」という大阪・関西万博が掲げるテーマに反する。世論の批判が高まると、維新の馬場代表は舌の根も乾かぬうちに一転反対を表明した。ご都合主義の党らしい行動。

・海外パビリオンの建設踏み倒し?は国民の負担だと・・・
海外パビリオンの建設費用について経済産業省は、政府が全額出資する「日本貿易保険」を活用する。発注した国・地域から建設業者に代金が支払われない場合、通常の3分の1程度の保険料で代金の90~100%を補償する制度を設けた。不払い(踏み倒し)があれば、負担は国民にのしかかる。外国にこういう弱みを見せると、彼等は平気で“便乗”する文化がある。これこそ、「無理する大阪・関西万博」の姿を見せてしまった。

■維新・馬場代表、倍増の2350億円に「ビジネスチャンスと捉えて欲しい」の驚くべき答弁
日本維新の会の馬場代表はTV番組で、経費が当初の1250億円から2350億円の1.9倍に膨れ上がったことを問われると、「全てが大阪府・大阪市の責任ではなく国のイベントだ」「まだ(経費)増加はある」と苦しい答弁をした。繰り返すが今まで散々言ってきたのが、「招致したのも推進したのも維新の力」。それが予算が増大し都合が悪くなると、万博の主催は国だ責任転嫁してしまった。ジャーナリストの田原総一朗氏が、番組中「経費が倍近くになったら、民間企業の責任者ならクビだ」と指摘。驚いたのが馬場代表の次の答え、「ビジネスチャンスと捉えて欲しい」。開き直り、全く経費削減をする気はない。ましてや3分の1ずつ分担する国と大阪府市は税金、残り3分の1が財界負担と言って実際は消費者の負担になる。身を切る改革どころか、庶民に負担を押し付けることに何とも思っていない無責任さを現した。過日、馬場代表自ら維新は『第2自民党』と名乗った通り、国民より財界重視、維新と自民党の連携強化のために「万博」開催を利用した。そんな出鱈目の下で万博が開かれようとしている。今からでも間に合うので、中止すべきだ。

Sankoub
次号/大阪万博⑦大阪府は教職員に「阪神・オリ優勝記念パレード」費用捻出にネット募金要求
前号/大阪万博⑤大阪・関西万博は2350億円の無駄、終われば取り壊され持続可能なSDGsに逆行

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