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永山悦子氏コラム◇出生前診断「異常あり」の9割は中絶する内なる優生思想/少数派

2021年11月08日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権
永山悦子氏コラム◇出生前診断「異常あり」の9割は中絶する内なる優生思想

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毎日新聞の夕刊、「見上げてごらん永山悦子」というコラムからの記事をご紹介します。
*タイトル付け、文章の省略化、補足は投稿者によるものです。

緊急事態宣言に同調し投稿を控えていたため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。

今年21年3月に開かれた日本小児科学会のフォーラムは、妊婦の血液を使って胎児の染色体の異常の有無を調べる新型出生前診断(NIPT)が主なテーマ。今夏にも国も関与する新たな認証制度が始まる。そのとき学ぶべき過去とは何か。NIPTは2013年に日本産科婦人科学会が認証制度を作り、全国へ広がったが、ルールに従わず情報提供やカウンセリングが不十分な無認可施設も相次いだ。「金もうけの手段」にする施設もあるとされる。国が制度に加われば、一定の歯止めになるだろう。

だが、それが逆にこの検査を「推奨」することにならないか。そもそも検査はだれのため、何のためのものなのか――。すっきりしないのは、NIPTで分かる障害はごく一部であり、障害があってもさまざまなサポートを受けながら幸せに暮らす家族も多いのに、NIPTで「陽性(異常あり)」となった妊婦の9割以上が中絶を選んでいるからだ。日本の法律では、人は出生から始まるので、胎児は人ではない。ただし、胎児は母親の体内で、泣いたり笑ったり、あくびをしたりしている。夢を見ている可能性も高い。病気があれば、胎児への手術も実施される。

そんな胎児は検査や中絶の決定にかかわることはできない。世界中で実施されている検査だから、親に「受けるべきではない」とも言えない。増崎さんは「NIPTには答えがない」「(出生前診断は)妊婦さんを悩ませるタネになってしまった」と述べる。フォーラムでは「障害児=不幸」「不良品ははねるもの」という優生思想の根深さを指摘する意見も出された。障害を持つ人の強制不妊手術の根拠になった旧優生保護法なき今も、私たちには「内なる優生思想」が残っているのではないか。

投稿者の文章/多くの皆様の苦悩やご尽力によって、旧優生保護法は1996年に事実上失効した。しかし今度は、出生前診断によって、延々と優生思想は続く。検査で異常ありとされても、ほとんどが日常生活では支障ないことが証明されている。とは言え、こんな検査がある限り妊婦は悩む。中絶すれば、我が子を抹殺したと親はそれはそれで苦悩する。投稿者はそんな世代ではないものの、かなり問題ありと考える。だからといって、是非を問われても下せない。こうした世の中の現実に心は痛む。

Ntopkeiji

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