食品のカラクリと暮らしの裏側

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青野由利氏コラム◇インド型変異株急拡大の水際対策、把握遅れを3度繰り返す/少数派

2021年06月09日 | 新型コロナウイルス
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青野由利氏コラム◇インド型変異株急拡大の水際対策、把握遅れを3度繰り返す

Zu20210608出典:出入国在留管理庁

■政府の対策は全体に中途半端だが「水際対策」もまさにそう五輪が念頭にあるから?
毎日新聞専門編集委員・青野由利氏のコラムです/海外から入国する人の数は、1日最大2000人以上。例外を除き、日本人と日本に在留資格のある外国人だ。4月末、政府の新型コロナ対策分科会会長の尾身茂さんは「入国者数をもう少し減らした方がいい」と述べた。控えめな言い方だったが、各国の感染拡大、変異株の台頭を見ると、当然の心配。でも、政府に減らす予定はなさそうだ。空港検疫で新型コロナ陽性と判定された人は、4月の1カ月に292人。このうち日本国籍の人が77人、外国籍の人が215人。平均すると1日10人程度が陽性ということになる。4月の国別データを足し合わせると、最も陽性者数が多かったのはインドで70人以上。パキスタンも60人以上。フィリピン、ネパール、エジプト、タイ、インドネシア、ブラジルなど、三十数カ国からの入国者にも陽性者が出ている。5月に入って目立つのは、インド、ネパールからの陽性者だ。

日本に入国する人は全員、出国前72時間以内の検査が義務づけられている。なのに、この陽性者数。発熱やせきがある人もいる。これまでの経験から、空港検疫をすり抜けてしまうケースがあることも確実だ。中でも気になるのは感染爆発が起きているインドの変異株。細胞に取り付くウイルス表面のトゲ部分に2種類の変異が生じている。性質はまだはっきりしないが、感染性の増加やワクチン効果低下の恐れがある。英国の変異株が急速に従来株と置き換わったことを思うと、油断は禁物だろう。では対策は? 5月から対象となったインドを含め、世界35の「変異株流行国・地域」からの入国者は、まず検疫所が指定する宿泊施設で待機。3日目に検査陰性なら、待機が必要な14日間の残りの11日間は自宅などでの自主隔離となる。

それで十分なの?と思っていたら、政府はインド、パキスタン、ネパールからの入国者の待機を3日間から6日間に延長する。リスクは減るだろうが、これで大丈夫とも言えない。一方で、帰国を望む日本人保護との両立も必要だ。問題は感染を広げる可能性のある期間をどう過ごしてもらうか。自主隔離中はアプリや電話で確認しているというが、1日2000人の入国者を14日間フォローすると、単純計算で1日2万8000人。漏れをなくすのは難しい。政府の対策は全体に中途半端だが、水際対策もまさにそう。五輪が念頭にあるから? そんな気がしてならない。
投稿者補足/やっと5月28日から、インド・ネパールなどからの入国者は、10日間、指定宿泊施設で待機させることになった。遅いに尽きる。インド株は既に全世界に拡散されてしまったので、同国者だけを厳重警戒しても意味を成さない。

投稿者によって、文章まとめ・タイトル付けを行いました。


Corona210607a150 6月7日現在の感染者数/クリックすると拡大します

■内閣は習近平・外国人労働者・五輪開催に気を遣い3度の対策失敗、結局国民を守れず
ここからは投稿者の文章/まず2つめの画像(感染者数などの表)をご覧頂きたい。感染防止喚起のために、せめてもと投稿者が毎朝貼り換えている都道府県別の感染者数だ。皆様もTV・新聞で、お住まいの県や各県の数値はご覧になったと思う。投稿者は常に、表の上部の「空港検疫」の感染者数を注目していた。6月7日現在、感染者3002人・死者4人。3000人と言えば、同表の人口が少ない県と同レベルだ。自国の検査でパスした人だけが日本に渡航できる仕組みになっているが、これだけ大勢の数値になっていることは各国の検査や審査が極めて杜撰なことを示す。来日後に、死亡することも起きている。成田空港などの検疫で見つかった数値であって、後日、国内で発症した人は含まず。感染隔離を嫌がり、検疫の制止を振り切って逃げた人さえいる。検疫の実態はあまり報じられていないため、しっかり防御できていると思われる方が多い。しかし実情はルーズどころか、フリーパスに近い。英国型・インド型(変異株)ウイルスは、同国からだけでなく今や世界から成田に入って来る。無観客でも東京五輪を開催すれば、短期間に10万人がやってくる。選手や関係者は検査せず、また物理的に検疫の大混乱が予想され、その間にウイルスは日本に拡散されていく。だから専門家が、五輪開催は危険だと言っている。

日本ほどやりやすい「水際対策(作戦)」を、3度失敗している。思えば中国で発生が確認されたのが19年12月、台湾は数日後に全世界からの入国を止めた。その頃日本は習近平国家主席の来日が予定され、遠慮して武漢からの渡航者を2月下旬まで止めなかった。第1波・2波を起こし、これが第1の失敗。第2の失敗は、20年秋から年末の第3波。GOTO要因もあるが、これもあまり報道されないが菅首相の大失態がある。経済にこだわり、海外ビジネスマンの日本渡航を積極的に進めたことだ。ビジネスマンとは言うものの、要は農家・建設現場・飲食店などで働く言わば「外国人労働者」を日本に呼び戻すこと。皆様は、毎月、数万人にも及んでいることをご存じだろうか。当時から自国検疫・成田検疫が共にルーズだったため、コロナを持ち込んだ外国人感染者があまりにも急増し、あの官邸さえ心配してストップを掛けようとした。しかし菅首相が頑として受け入れず、その間に英国株が国内に急拡散した(上の図の20/10以降・最大7万人の来日)。第3の失敗が、インド株・南ア株などを軽視。今年1月には検疫で感染者が出ていたのに、スクリーニング検査に消却的だった。自ら検査をやろうとしなかったのに、検査数が少ないからエビデンスがないと言い出す始末。感染症の専門家・岡田晴恵教授は、ウイルスは現状を調査して判断していたらその間にどんどん入り込む。直ちに、入国禁止にすることが鉄則と言う。東京五輪が気に掛かったのか、対策が遅れ現在の第4波に至る。菅首相は、コロナ対策・五輪開催に「安全・安心」して行うと言う資格はない。

Sankoub
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