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松尾貴史氏コラム◇東京五輪の開催は日本の堕落を世界に見せつけることになる/東京五輪の危うさR7-20

2021年06月10日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.95
ROUND7 国民の命を守るため東京オリンピックの中止を!編 20
松尾貴史氏コラム◇東京五輪の開催は日本の堕落を世界に見せつけることになる

Matsuoiwakan
毎日新聞の日曜版、「松尾貴史のちょっと違和感」というコラムからの記事をご紹介します。
松尾貴史氏はコラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*タイトル付け、補足は投稿者によるものです。


 ↓ ↓ ▽松尾貴史氏のコラム

■金まみれ・欲まみれの薄汚い人たちの手によって五輪というイベントの印象は最悪
私は物心がついた頃に前回の東京オリンピックの盛り上がりを経験した。ずっと五輪は無条件に素晴らしいもので、その後の成長に従って「神聖なものだ」という意識も加わり、開催できることは名誉であり、そこで活躍する人たちは英雄のようにあがめられるという価値観を皮膚感覚で培ってきたように思う。その輝ける五輪が、私の中では人生でこれほどまでに落ちるかというほど、最悪の印象になっている。もちろん、五輪に向けて、純粋な気持ちで鍛錬を続ける選手たちの印象が悪くなるようなことはないけれども、五輪に群がる金まみれ、欲まみれの薄汚い人たちの手によって、もはや五輪というイベントの印象は最悪だ。

当然のように、中止を求める多くの署名が集まり、陳情がなされ、東京都議会文教委員会では、共産党と立憲民主党が五輪中止について賛成するも、自民党、公明党、都民ファーストの会の反対で陳情は不採択となった。都民の多くが五輪の開催に反対しているのに、「都民ファースト」は中止に反対したのだという。自由でも民主的でも公明正大でも都民がファーストでもなく、強制的に五輪が開催されようとしている。来月に投票が行われる東京都議会議員選挙では、この「五輪中止」の是非が重要な争点の一つになりそうだ。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長も、日本の政府関係者も、みな精神論だけで切り抜けようとしている。IOCの古参幹部に至っては「アルマゲドン(世界最終戦争)でもない限り東京五輪を開催する」と、日本人を、というよりも人の命を何だと思っているのか問いたいような暴言を吐いた。この五輪強行が、新型コロナウイルスが爆発的に感染拡大するアルマゲドンを招いてしまうことになったらどう責任を取ってくれるというのか。

■菅政権は本当にウイルスの流入や感染拡大を防ごうという気持ちがあるのか甚だ疑問
緊急事態宣言は毎度のように「○日まで」と日にちで区切って発令し、その後延長がなされている。感染者数、陽性率、病床使用率などの医療体制、重症者や死亡者の数などで「こういう成果が出れば宣言を解除」と発表すればまだモチベーションは保てると思うのだが、「○日までの我慢だ」という意識になると、延長になるたびに無力感や反感が生まれてしまうのではないだろうか。3回目となる緊急事態宣言を当初5月11日までとしたのは、バッハ氏が来日する前までにしておこうという意図が想像できる。急きょ彼が来日しないとなったら「5月末まで」ということになった。しかし状況が改善しないのでさらに延長はしたいが、五輪の開会式の1カ月前までに解除したいから「6月20日まで」となる。それぞれ緊急事態宣言の期限と五輪が直接関係しているかどうかは未確認だが、その確率は高いのではないか。

東京新聞などが東京都民を対象として5月に行った意識調査で、菅内閣の支持率は何と、16・1%にまで落ち込んだ。支持しないが64・4%、そして6割が東京五輪を「中止すべきだ」と答えている。海外から、関係者だけでも10万人近くが日本に入るイベントをゴリ押しするのに、国民には「人流を減らせ」と言い、選手村での飲酒について認めるが、飲食店でのアルコールの提供は許さないという。ここでも「節度をもって行動してくれるはず」という精神論が言い訳になっている。本当にウイルスの流入や感染拡大を防ごうという気持ちがあるのか、はなはだ疑問だ。

医療体制が逼迫(ひっぱく)しているというのに、五輪のために、都内の24カ所の競技会場に、少なくとも2台ずつ救急車を配置することが、共産党東京都議団の調査で判明した。ボランティアの医師や看護師も募集しているが、大規模な運動大会を開催したいがため、ただでさえ負荷がかかりすぎている医療に、さらなる重圧をかけようという愚挙だ。コロナ禍が収まれば医療機関の負担が軽くなるように思っているのかもしれないけれども、延期せざるを得ない手術などがたまっているので、医療関係者の辛苦はまだまだ続くだろう。「五輪開催という栄誉」であるはずが、日本の堕落を世界に見せつけることになってしまった。

投稿者によって、タイトル付けを行いました。コラム・インタビュー記事を載せ、投稿者のコメントは割愛します。

Sankoub
次号/元博報堂・本間龍氏◇五輪中止は莫大な賠償金が掛かるからできないは嘘!
前号/ハゲタカ著者・真山仁氏◇五輪中止を!命を守る決断は顰蹙を買ってでも政治家の役目

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