明日への道標~みんなが幸せになるために

さあ、また書き始めよう。どうしても伝えたいことがあるから。

エリートを育てる教育

2006-09-15 | 教育
最近、いろいろな所でエリートを育てるべきだなど
という議論を聞く。

今日はエリートを育てる教育について考えてみたい。

最近、中学受験が盛んであるが、一部の名門と言われる
中学校には、小学校からそのまま持ち上がってきている
生徒がいる学校がある。

そういう学校について調べてみると、高校卒業時点で
上位層にいる生徒は、圧倒的に中学時点で入学した生徒が多く、
一方で下位には小学校時点で入学した生徒が多いという。

中には、中学から高校に全員上がれない仕組みの学校も
あるが、そういう所で高校に上がれないのは、多くが
小学校からの持ち上がり組だという。

もちろん、中学受験で人気のあるような学校は、
小学校のいわゆる「お受験」でも難関で、それなりに
厳しい選抜をしているのに、である。

なんで、こんな話を書いたかというと、
早い段階で、その子供の能力を見極めるのは
極めて困難だということが言いたかったのだ。

話は飛ぶが、投資信託や年金における株式の運用で、
もっとも運用成果が期待できるのはインデックスファンド
だという。

インデックスファンドというのは、個別の株式を研究して
買うのではなく、市場の構成比率に従って機械的に
株式を買って運用するファンドだ。

要するに、どの株が上がるかなどということは、
神ならぬ人間には、なかなか解らないということが、
理論的にも、実証的にも、ある程度明らかになっている。

この2つの事象は、すごく似ていると思う。

そして、エリート教育も、結局はインデックスファンドの
思想が、一番しっくりくるのではないだろうか。

つまり、誰がその後伸びるかなんて神ならぬ人間には
解らないということを謙虚に認識し、「エリートになるかも
しれないポートフォリオ」の網をなるべく大きく張って、
全員にエリートとしても十分な教育を施していくのだ。

結果としてその中からエリートが育ってくるだろうし、
併せて、充実した中間層の育成にもつながり、
社会の活力や安定にもつながっていく。

これは、世の中にとって非常に良いことだ。

そういう視点で考えると、中学受験が主流になりつつある
現在の状況は決して好ましくないと思う。

結局、中学受験で私立等へ抜けられるのは、
本人の能力に加え、親がそれなりに熱心で、
かつ貧乏ではない家の子供に限られる。

それ以外の子供は、公立のスカスカのカリキュラムで
勉強せざるをえず、よほど個人的に努力しない限り、
先に提唱した「エリートになるかもしれないポートフォリオ」
から、こぼれ落ちてしまうことになる。

これは、「エリートを育てる」という観点で見れば、
国家的損失だろう。

誰もが進める近所の中学校でも十分な教育が受けられるように
することが、エリートを育てる教育のために重要なのでは
ないだろうか。

とはいえ、さすがに高校、大学くらいまで行くと、
インデックスファンドの思想は当てはめにくくなると思うけどね。


P.S.
「エリート」というのは頭脳の問題じゃないと言う向きには、
次の言葉を贈りたい。

「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」(ヨハン・W・フォン・ゲーテ)

「勤勉な馬鹿ほどはた迷惑なものはない」(ホルスト・ガイヤー)

http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20060914


P.S.2
ただし、勉強はそれなりにできたはずでも
馬鹿な奴もいるけどね。

たとえばコイツ。

>竹中総務相、新内閣発足の26日に参院議員辞職
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060915i404.htm

強力なデフレ製造機のポルポト竹中が安倍政権に残らなかったのは
日本経済のために良かったけど、まだ、安倍の取り巻きに
ポルポト派の残党みたいなのがゴロゴロいるからね。

ナイスだかニートだか知らないけど。