「-50℃以下の反応が室温で可能に」
マイクロ化学技術を用いたスワン酸化反応を、
宇部興産がMCPT・京大と共同開発
宇部興産(社長:常見和正)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「革新的部材産業創出プログラム」において「マイクロ分析・生産システムプロジェクト」(プロジェクトリーダー:小宮山宏東大総長)を受託しているマイクロ化学プロセス技術研究組合(MCPT、竹内隆理事長) 並びに 京都大学大学院工学研究科 桂インテックセンター マイクロ化学システム高等研究院内のマイクロ化学プラントグループ京都集中研究所(グループリーダー:吉田潤一京大教授)と共同で、化学プロセスに革新的な変化をもたらすものとして期待されているマイクロ化学技術を用いて、医薬品中間体等の製造に広く利用され、通常-50℃以下の低温でなければできなかったスワン酸化反応を、室温で反応させる技術を開発した。
従来のスワン酸化反応では、反応系を-50℃以下に保ち、不安定な反応中間物質の分解を防いでいた。しかし今回の研究ではマイクロ化学技術の特性を利用して、瞬時に混合させる事により得られた反応中間物質を、分解するよりも早い0.01秒という瞬時に次の反応に供することにより、室温で反応させても低温反応と同等以上の反応成績が得られる技術を開発することに成功した。
この成果は、マイクロ化学技術の迅速混合、精密時間制御、精密温度制御という特徴を利用することにより、従来低温で行われていた反応が広く室温でできる可能性を示すものであり、合成化学の設備、安全、環境面全般において大きく貢献する技術であると考えられる。
「マイクロ分析・生産システムプロジェクト」では、この技術をさらに同様の不安定中間体を含む各種化学反応に適用拡大するとともに、医薬品中間体を含む精密化学品の製造法として確立する研究開発を進めていく。
宇部興産HPより
Early view でangewをみていましたが、共同開発だったのですね
Swern酸化は温度があがると転位がおこりMTM基がかかります
以前、後輩がジオールからジアルデヒドへの酸化を行っており、TPAPやPCCを用いると分子内でラクトンが形成され、活性種を先に発生させるSwern酸化を行うこととしました。しかし、溶解性が悪いためSwernの条件で析出したりと苦しい思いをしていましたので、
室温でのSwernはかなり有用で、マイクロリアクターの面白さを感じます。
あつかったことがないのでマイクロリアクターでの大量合成は、現段階では難しいという印象をもっています。
「医薬品中間体を含む精密化学品」とのことですが、スケールアップ、品質管理などクリアするのにどのような工夫がなされるのか興味があります。
マイクロ化学技術を用いたスワン酸化反応を、
宇部興産がMCPT・京大と共同開発
宇部興産(社長:常見和正)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「革新的部材産業創出プログラム」において「マイクロ分析・生産システムプロジェクト」(プロジェクトリーダー:小宮山宏東大総長)を受託しているマイクロ化学プロセス技術研究組合(MCPT、竹内隆理事長) 並びに 京都大学大学院工学研究科 桂インテックセンター マイクロ化学システム高等研究院内のマイクロ化学プラントグループ京都集中研究所(グループリーダー:吉田潤一京大教授)と共同で、化学プロセスに革新的な変化をもたらすものとして期待されているマイクロ化学技術を用いて、医薬品中間体等の製造に広く利用され、通常-50℃以下の低温でなければできなかったスワン酸化反応を、室温で反応させる技術を開発した。
従来のスワン酸化反応では、反応系を-50℃以下に保ち、不安定な反応中間物質の分解を防いでいた。しかし今回の研究ではマイクロ化学技術の特性を利用して、瞬時に混合させる事により得られた反応中間物質を、分解するよりも早い0.01秒という瞬時に次の反応に供することにより、室温で反応させても低温反応と同等以上の反応成績が得られる技術を開発することに成功した。
この成果は、マイクロ化学技術の迅速混合、精密時間制御、精密温度制御という特徴を利用することにより、従来低温で行われていた反応が広く室温でできる可能性を示すものであり、合成化学の設備、安全、環境面全般において大きく貢献する技術であると考えられる。
「マイクロ分析・生産システムプロジェクト」では、この技術をさらに同様の不安定中間体を含む各種化学反応に適用拡大するとともに、医薬品中間体を含む精密化学品の製造法として確立する研究開発を進めていく。
宇部興産HPより
Early view でangewをみていましたが、共同開発だったのですね
Swern酸化は温度があがると転位がおこりMTM基がかかります
以前、後輩がジオールからジアルデヒドへの酸化を行っており、TPAPやPCCを用いると分子内でラクトンが形成され、活性種を先に発生させるSwern酸化を行うこととしました。しかし、溶解性が悪いためSwernの条件で析出したりと苦しい思いをしていましたので、
室温でのSwernはかなり有用で、マイクロリアクターの面白さを感じます。
あつかったことがないのでマイクロリアクターでの大量合成は、現段階では難しいという印象をもっています。
「医薬品中間体を含む精密化学品」とのことですが、スケールアップ、品質管理などクリアするのにどのような工夫がなされるのか興味があります。
を読み直して子引きをしたところ
Org. Process Res. Dev. 2001, 5, 652-658.にてマイクロリアクターによる、無溶媒のkgスケールのぴロール合成が報告されていました。
考えられるスケールアップへの問題はジメチルスルフィドノ匂いと溶媒の毒性でしょうが、低温でなくてもよいということはメチクロから代替可能ですね。
マイクロリアクターは、例えば東工大ベンチャーのケムジェネシスの自動合成装置との優位性はどんなものなのでしょうか?