レイジング・ブル
cast >> Robert De Niro, Cathy Moriarty, Joe Pesci, Frank Vincent, Nicholas Colasanto, Theresa Saldana, Frank Adonis, Mario Gallo, Johnny Barnes, Frank Tophan ...
writer >>Paul Schrader, Mardik Martin
director >>Martin Scorsese（129min）
世界ミドル級チャンピオンの栄誉に輝き “ブロンクスの猛牛” と呼ばれた男、ジェイク・ラモッタの “栄光” と “挫折” の半生を、彼の自伝を基に描く。壮絶で迫力ある試合シーンは、ボクシング映画としての評価も高いが、本作の根底にあるのは、自らの “猜疑心” によって妻や弟をも失う男を描いた人間ドラマ ーーー。監督はロバート・デ・ニーロとともに多くの作品を生み出した、マーティン・スコセッシ（ "the Color of Money" "The Departed" ← 監督 "Taxi Driver" ← 監督・出演 "CLOCKERS" ← 製作 "Quiz Show" ← 出演）。アカデミー賞２部門【主演男優賞（デ・ニーロ）/ 編集賞】受賞。
《1964年 ニューヨーク》 バルビゾン・プラザ・シアターの楽屋で、映画『波止場』のシナリオの一節を繰り返す一人の男 ーーー かつて “怒れる牡牛” と呼ばれ、世界ミドル級チャンピオンに輝いたジェイク・ラモッタ（Ｒ・デ・ニーロ filmography ）。
《1941年 クリーブランド》 セコンドを務める弟のジョーイ（ジョー・ペシ "GOODFELLAS" ← 監督＆デ・ニーロと共演 "Once Upon A Time In America" ← デ・ニーロと共演 "LETHAL WEAPON 2" 以降、シリーズに出演）と、黒人ミドル級ボクサーとの闘いで、誰の目にも相手を叩きのめした試合だったにも拘わらず「判定負け」をしたジェイクは、昼間からやけ酒を飲み、妻に八ツ当たり。そして、若いブロンド美人のビッキー（キャシー・モリアーティ "Analyze That" ← デ・ニーロと共演）と出会い、やがて彼女と結婚。
《1943年 デトロイト》 シュガー・レイ・ロビンソンをＫ.Ｏ.したものの、同年に行われた彼との再戦では「判定負け」をする。逃れられない敵、「八百長試合」を強いる組織が存在するせいだ。ずっと拒んできたが、やがてその組織を仕切る大物トニー・コモ（ニコラス・コラサント "FAMILY PLOT" ）の誘惑に負けたラモッタ兄弟は、1947年、遂にマジソン・スクエア・ガーデンでの「八百長試合」を承諾してしまうのだが・・・・・。
輝かしい “栄光” と、観るも無惨な “挫折” ーーー 醜く執拗な “嫉妬心” で身を滅ぼした男の引退後の無惨な姿を、体重を「25キロ」増やして、人相まで変えて演じてみせたデ・ニーロはさすが！（感心） 全く売れずにショー・ビジネスの世界から遠ざかり、レストランの支配人をしていたジョー・ペシの “ハスキー・ボイス” に目をつけ「台本を読んでみないか？」と誘ったのはデ・ニーロ。初めは断ったがデ・ニーロはあきらめず、スコセッシ監督まで連れてきたため、断りきれず出演を承諾したＪ・ペシは、結果的に本作がきっかけで念願だったショー・ビジネス界に見事に返り咲いた。“光と影” で魅せるモノクロ映像は、実に秀逸で美しい。
1954年に引退したジェイク・ラモッタは、国際ボクシング名誉の殿堂入りをしている。通算戦績は『106戦83勝30KO19敗4分』。
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