栄光へのダンクシュート
cast >> Andre Braugher, Rip Torn, Sean Squire, Ruby Dee, Bill Nunn, Daniel Hugh Kelly, Tony Colitti, Anderson Bourell, Khalil Kain, Tony Bond, Khaz B, Darris Love, Elimu Nelson, Damien Wayans, Brett Rice, John Lawhorn, Shawn Wright, Tom Turbiville, Frank Hoyt Taylor, Angela Mills, Arthur Agee, Bill Ewin, Thomas Jefferson Byrd ...
director >>Steve James（94min）《TVM》
region 1 >> English, French & Spanish subtitles and closed captions
"公民権運動" 盛んなりし時代 ーーー それでもまだまだ人種差別が蔓延る閉鎖的な深南部ルイジアナ州では、学校の人種統合はおろか、黒人チームは州のスポーツ協会への加入も認められていなかったため、白人高校との試合は "不可能"。そんな中、ある黒人高校のバスケットボール・チームが踏み出した "勇気ある一歩" を描いた物語。
監督はスティー ヴ・ジェームズ（ "HOOP DREAMS" ← 本作に出演しているＡ・エイジーを追ったドキュメンタリー）、製作総指揮にはマジック・ジョンソン（ "Brown Sugar" ）やクインシー・ジョーンズ（ filmography / discography ）が名を連ねたＴＶ映画作品。
1965年 ルイジアナ州ニューオーリンズ ーーー 北から長距離バスに乗ってカトリック系の黒人高校 St. オーガスティンにやって来たのは、黒人神父のジョセフ・ヴェレット（アンドレ・ブラウアー filmography ）。学生の頃から彼を信頼している恩師で校長の白人神父ロバート・グラント（リップ・トーン "THE CINCINNATI KID" "MEN IN BLACK" シリーズ）に招かれて、歴史の教師として赴任したのだ。
ある日バスケットボール・チームのコーチが他校に引き抜かれてしまい困った校長は、ヴェレット神父をコーチにしようとするが、断られてしまう。しかし、結局コーチを引き受けるハメになったヴェレットは練習を開始 ーーー。
チームの得点源で、スター・プレイヤーはトラヴィス・ポーター（ショーン・スクワイア）。しかし彼は自分の得点記録にこだわるあまりスタンド・プレイが目立ち、仲間に "パス" を回そうとしない。そこでコーチはある試合の途中で意図的にトラヴィスを外しベンチへ。彼を欠いてもチームはなんとか勝利し、屈辱的ではあったが、トラヴィスは自分１人では試合に勝てないこと、試合に勝つためには仲間へ "パスを回すこと"、つまり "チーム・プレイ" が重要であると思い知る・・・。
ーーー そして彼らは "No.１" 黒人チームとなる。
試合後バスで町に戻る途中、コーチは食事のため『白人専用』のダイナーに立ち寄ろうとするが、生徒たちは足がすくみバスから降りようとしない。そこで選手全員の食事を買うためコーチは単身で店に入るが、店主のマローン（ダニエル・ヒュー・ケリー "HARDCASTLE & McCORMIC" シリーズ）らに「出て行け！」と拒絶される。それでも怯まないコーチの勇気ある行動を目の当たりにしたトラヴィスは、チーム全員を率いて店内へ。しかし警察へ通報され、全員連行されてしまう。翌日、司教に呼ばれ「今度騒ぎを起こしたら罷免する」と釘を打たれた校長とヴェレット。ヴェレットは心ならずも生徒たちに "謝罪" ーーー。そして校長は「今年はよく頑張ったが（白人高校との試合はできないため）もう試合はない」と告げる・・・。
しかし "肌の色に関係なく" 正々堂々と白人高校のチームと対戦して、実質的に市の "No.１" であることを証明したいトラヴィスは、"ある行動" に出る・・・・・。
トラヴィスの祖母をルビー・ディー（ filmography ）、父をビル・ナン（ filmography ）、白人新聞記者をトニー・コリッティ、トラヴィスのチーム・メイトのスノウをダミアン・ウェイアンズ（ "EDISON" ）、アイスをアーサー・エイジー（ "HOOP DREAMS" ）、マローンの息子でチーム・キャプテンのマイクをアンダーソン・ポーネルなど。
最後に字幕で〈（彼らの起こした行動により、2年後の）1967年、連邦控訴裁判所は St.オーガスティン高校がルイジアナ州スポーツ協会に加入することを認め、これが州全体の高校スポーツの人種統合を推進した〉と出ます。
ーーー この作品、基本的には "実話" です。よりドラマティックに脚色を加えた部分が多いため（← 映画化にあたって多少の脚色はよくあることですが）、謙虚にも "Based on a True Story" などとしなかったようです。
それから個人的にこの邦題は内容をよく理解していない方がつけたとしか思えません（残念）。本作のカギは "ダンク" ではなく、原題の通り "パス" にあるのです ーーー。それはラストでいかにもアメリカ的で "粋な" ヴェレットとトラヴィスの会話にも表れていますので、真意を確かめたい方はぜひご覧ください。
>> Based on a True Story（実話に基づいた 映画作品一覧）（M-Z）
>> Sports - filmography（スポーツ 映画作品一覧）
>> TVM - filmography（ＴＶ movie 作品一覧）
2011-05-08
