プラトーン
cast >> Charlie Sheen, Tom Berenger, Willem Dafoe, Kevin Dillon, Forest Whittaker, Francesco Quinn, John C. McGinley, Keith David, Dale Dye, Johnny Depp, Richard Edson, Paul Sanchez ...
writer / director >> Oliver Stone
soundtrack >>
"platoon(プラトーン)" とは、30~60名程度で構成される「小隊」のこと ーーー。エール大学時代の1967年に陸軍に志願、ベトナム帰還兵であるオリヴァー・ストーン( filmography )が、アメリカ軍の「歩兵」であった実体験を基に、記憶が薄れる前にありのままの『ベトナム戦争の真実』を伝えるために自ら脚本を書き上げ監督したのが本作。臨場感溢れる戦場・隊内部の確執・日常の些細なシーンにいたるまで、その驚異的なリアリティは傑出しており、大衆や批評家から多くの支持を受け「プラトーン現象」を惹き起こした本作は、1986年度アカデミー賞4部門【作品賞・監督賞・編集賞・録音賞】を受賞。人々の記憶に残る作品 ーーー。
1967年、激戦のベトナムに若い志願兵クリス・テーラー(チャーリー・シーン "Wall Street" "Major League" )がやってきた。次々と徴兵されてゆく同年代の若者のほとんどが、少数民族や貧しい者たちだったことに対して憤った彼は、ベトナムの現状を見極めようと名門大学を中退して志願したのだ。しかし、いきなり最前線の歩兵小隊『プラトーン』に配属された彼を待ち受けていたのは、想像を遙かに超えた過酷な戦争の現実だった。一体、何のために戦うのか? ーーー「戦争」という名のもとでの殺人、疑惑と憎悪、そして「人間性の喪失」との戦い・・・彼はやがてベトナム人への虐殺・略奪・強姦など、戦争の狂気とその現実を体験していく。《「理性」というものが通じない場所を地獄と呼ぶなら、まさにここがそうだ》という、ナレーションも印象に残る。
「驚異的なリアリティ」をもたらした一因は、キャスト全員が通常9~13週かけて行われる「新兵訓練」を2週間に凝縮して、フィリピンのジャングルで叩きこまれたこと。そして、そのキャスティングが素晴らしいこと。バーンズ軍曹をトム・ベレンジャー( "A Murder Of Crows" "D-TOX" "SNIPER" シリーズ )、敵対するエリアス軍曹をウィレム・デフォー( filmography )。この二人は共に素晴らしく「助演男優賞」にノミネートされたが、受賞はならず。ビッグ・ハロルドをフォレスト・ウィテカー( filmography )、バニーをケヴィン・ディロン(← マット・ディロンの弟)、ラーをフランチェスコ・クイン(← 名優アンソニー・クインの息子)、オニール軍曹をジョン・C・マッギンレー( "42" "THE ROCK" "SET IT OFF" )。キース・デヴィッド( filmography )。そしてなんといっても、現地での通訳を務めるラーナー演じるジョニー・デップ( "Donnie Brasco" "Pirates Of The Caribbean" シリーズ)。今でこそジョニーといえばティム・バートンだか、オリバーは「ジョニーが将来大スターになる」ことを見抜いており、現在オリバーはジョニーを初めてアメリカ映画に紹介した監督とされている。
ちなみに、バーンズ軍曹は過去に、顔のキズを治すため沖縄基地へ行き、日本女性と結婚している(原作より)。『プラトーン』のナレーションは主役のチャーリー・シーンが担当したが、同じくベトナム戦争を題材にした『地獄の黙示録』では、父であるマーティン・シーンがナレーションを担当している。当時22歳だったジョニー・デップは本作の撮影のため、初めてアメリカ国外に出た。頼りない新兵だったクリスが日毎に様々な葛藤を抱えながらも「歩兵」へと成長していく姿と、そしてバーンズ軍曹とエリアス軍曹の行く末を見届けてほしい・・・。サミュエル・バーバーの『弦楽のためのアダージョ』が耳に残ることだろう。映像特典の “ドキュメンタリー:『プラトーン』の記憶” も、もうひとつの『プラトーン』としてお見逃しなく!ーーー 私はどんな大義名分があろうと戦争は絶対に反対。《ベトナム戦争》の真実を知ることで、二度と過ちが繰り返されることのないよう祈ります・・・(祈)
>> War - filmography
>> AFI'S The Greatest Movies 100(2007)- filmography