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"Before Night Falls"(2000)

2008-04-14 00:01:32 | Based on a True Story

 夜になるまえに

cast >>  Javier Bardem, Olivier Martinez, Andrea Di Stefano, Johnny Depp, Sean Penn, Michael Wincott, Olatz Lopez Garmendia, Vincent Laresca ...
writer / director >>Julian Schnabel(133min)
soundtrack>>


「キューバ」「詩」「カストロ」「革命」「ホモセクシュアル」「亡命」ーーー。
キューバ出身の作家レイナルド・アレナスが、自らの死を前に綴った自伝『夜になるまえに』を、"BASQUIAT(バスキア)" のジュリアン・シュナーベル監督が映画化。独特の “映像美” を交え、その波乱に満ちた生涯を鮮烈に描く。

BEFORE NIGHT FALLS - Trailer


レイナルド・アレナス(ハビエル・バルデム "No Country For Old Men" "COLLATERAL" "JAMON JAMON" )は、1943年 キューバ生まれの小説家・詩人。極貧の幼少時代、カストロに熱狂した「キューバ革命」を経て、20歳で作家としてデビュー。しかし独裁政権下では「作家」 または「ホモセクシュアル」というだけで迫害の対象となり、反政府的な言動があるとして、以後の作品はすべて「発禁」。'73年に投獄されたが、'80年 ニューヨークへ亡命。'87年、エイズであることがわかり、'90年、鎮静剤の多量摂取により「自殺」ーーー 。「弾圧」も「亡命」も「病気」も、アレナスの筆を止める理由にはならず、最期の一瞬まで溢れ出る言葉を書き続けた彼の人生には、ただただ感服させられ る・・・。

アレナスをアーティストたらしめた「奔放なプライベート・ライフ」「美を追究する精神」「自由を求める反骨精神」を描いたの は、自らもアーティスト(画家)であるシュナーベル監督(本作の映像特典で、アトリエを公開。壊れた陶器の皿をカンヴァスに貼り付けた作品などが観られ る)。"BASQUIAT" では彼独特の “色彩感覚” を再現し、本作でも随所に美しい描写を散りばめている。特にいろいろに表情を変える “緑(あお)” が息を呑むほど美しい。 終盤、キューバの独裁体制にも屈しなかったアレナスが、ニューヨークでタクシーの窓から外を眺めながら故郷を回想する姿は物悲しく、溢れんばかりの彼の “想い” が伝わってくる映像は秀逸 ーーー。

アレナスを演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートほか、賞を受賞したハビエル・バルデムの演技はとにかく秀逸。彼と長年の友人であったラサロ役をオリヴィエ・マルティネス( "Unfaithful" "S.W.A.T." )が演じ、監督は実際に彼から聞いた話を本作に反映させている。若いアレナスを惹きつけて惑わせるぺぺをアンドレア・ディ・ステファノ、公の場で家族を弾劾するという、多くのキューバ人が味わった苦痛を持った将校をマイケル・ウィンコット( "BASQUIAT" に続き、監督と組むのは2作目)。アレナスに重要な示唆を与えるクコをショーン・ペン( filmography )、女装好きの囚人と卑怯な中尉という対照的な2役を演じたのはジョニー・デップ( "PLATOON" "Donnie Brasco" "Edward Scissorhands" )。

~ 最期に、彼が友に宛てた別れの手紙より(一部抜粋)~
ぼ くは自ら進んで自分の人生に終止符を打つ。なぜなら働きつづけられないからだ。ぼくのまわりの人たちは誰もこの決定に関わっていない。責任のあるものは一 人だけだ。それはフィデル・カストロ。… 中略 … 亡命しているキューバ人にも、また、島にいるキューバ人にも、自由のため闘いつづけるよう勧める。ぼくのメッセージは敗北のメッセージではない。闘いと希 望のメッセージなのだ。キューバは自由になる。ぼくはもう自由だ。
(署名)
レイナルド・アレナス
公表されることを


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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
重たそうな、映画ですね。 (jamjam)
2008-04-14 13:34:03
funkymeg_mさんへ

コメントは入れていませんが、毎日楽しく読ませてもらっていますよ。自分のブログでやっかいなアーテスト、バッド・パウエルに手を出したもので、いっぱい、いっぱいだっただけです。決して裏切ってはいませんので。(アタマを下げて、反省のポーズ。)

今回の映画、前回のmegさんのリンクで目を通しただけでしたが、きつそうな映画ですね。画像の最初の音楽を聴いてブエナ・ビスタを思い出しました。私の周りにもキューバ大好き人間がいまして、一年に2、3回行っているはずです。でも、音楽の話だけで、それ以上の話は、しません。二人とも、どこかで避けているのかもしれませんね。軟弱ジジですから。

コメントの場所が違うかもしれませんが、「スペース・カーボーイ」観ました。4人の演技、会話上手いですね。感心しました。後半の特撮がらみの場面は大変そうでしたが、何かひとつ足りない感じがしました。難しそうですものね。

スモーク、モータウン、クール・ランニングは観ています。バグダット・カフェ、あまりにも歌が流行ったので観たような気がしていたのですが、観ていませんでした。この程度のレベルです。
返信する
ははは!(笑) (funkymeg_m)
2008-04-15 00:26:13
to jamjamさん


時々 jamjamさんのコメントを読みながら、声を出して笑ってしまいます! 私も結構ババですけど、それよりもちょっとジジだと思われるjamjamさん、好奇心旺盛でおちゃめですよね~(← コレ、褒めてます♪) しかも「会話のキャッチボール」が秀逸なので、楽しませていただいております。

この作品、確かに重いテーマではあるんですが、渦中にいる人にとってはそれが避けようのない「日常」で、「重い」と感じるのは、自分が彼らより幸せな環境にいるからだと思ってしまいます・・・。

そして何より、どんな状況にあってもあきらめずに立ち向かう“折れない人”が好きなんです。

あー、キューバもジャマイカも行きたいなぁ~!(切望)

"SPACE COWBOYS" 観ましたか! あれは、あの4人の絡みを観るだけでも価値を見出せる作品ですよね。イーストウッドにとってもストレスの貯まる撮影だったようですから、今後「宇宙もの」は撮らないでしょうね。(苦笑)
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