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kWとkWh

震災、原発事故から再生可能エネルギー、発電に関する報道が多くなっています。その中で、kWとkWhを混同していることがよくあります。

kwとkwh、設備容量と発電量については以前書きました。

再生可能エネルギーの発電量はどのくらい? 設備容量と設備利用率について
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/59744c907c59d5d0db00800c5318a625
勝手に風力発電講座 定格出力と設備利用率
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/a08334ada4cdae6bf1fe22356a36d648

こちらにも解説があります。

緊急節電 100Wって?;ワットとワットアワー
http://kinkyusetsuden.jp/watt.html

kWというのは、瞬間値で設備容量、発電能力、それに消費電力。電気機器には消費電力100Wなどと書かれています。kWに時間をかけたものがkWh。100Wの機器を3時間使うと、消費電力量は

100W x 3時間(h)= 300Wh

になります。電気料金の明細などに使われるのはこのWh(kWh)です。kWは瞬間値なので速度(km/h)、kWhは量の単位で距離(kW)に相当します。

こちら↓は、高さと面積で説明

経済産業省:電力需給緊急対策本部電力の需要と供給より


先日、下記のような記事がありました。

少しの水で軽々発電 
破砕機メーカーの中山鉄工所(武雄市)と、小発電システム開発会社のシーベルインターナショナル(東京都千代田区)が協力して、少ない水量で発電できる小型水力発電装置を開発した。最大10キロワット時、4人家族が1日に使う電気量を発電出来るという。
http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000001201170004
朝日新聞 2012年01月18日

この中で、小水力発電装置について、最大10kWhの発電となっています。これは、一体何時間で発電するのか?4人家族が1ヶ月に使う電気量は約300kWhなので、1日で10kWhの発電量?ということは、24時間で割ると出力は約400W?これで1000万円は高すぎる。。。

ということでメーカーホームページを見ると、出力(設備容量)が10kWのようです。

シーベルインターナショナル
http://www.seabell-i.com/

出力が10kwの場合、設備利用率を60%とすると、1日の発電量は 

10kw x 24h x 0.60 = 144kWh

4人家族の1ヶ月分の消費電力の約半分を1日で発電することになります。これを書かれた記者さんはkWとkWhが分かっていなかったのだと思います。

このような記事は他にもあります。設備容量の足し合わせだけで、電気は足りるとしているものもまだ見受けられます。エネルギー、電力需要などを冷静に考えるためにも、正確な報道をお願いいたします。


2012/1/19 更新
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