山里の暮らしに関する一考察

本州内の町で、人口密度が下から2番目の小さな町・宮城県七ヶ宿に所在する社内で最小の事業所、七ヶ宿林業所のブログです。

役立たず=生物多様性の保全

2012-10-25 17:16:38 | インポート
ヤキモキしていたナメコも漸く
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芽きりが増え、来週辺りから収穫が本格化しそうです。
例年より3週間ぐらいの遅れです。

で、表題についてですが
我が社の山林に限らず、東北の山の沢筋や
過湿土壌の場所に生えてる樹 サワグルミのことです。
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七ヶ宿では、カワッコとかカワグルミと言われています。
屋根や皮箕(ザルみたいな者)の材料として
樹皮が有用だったからなんでしょうね。


サワグルミはオニグルミ等の様に
食用になる実は付けません。


木材としては
オニグルミ等がウォールナットと呼ばれ
木質は重硬で衝撃に強く、強度と粘りがあり、狂いが少なく
加工性や着色性も良いという特性を持つ。
落ち着いた色合いと重厚な木目と形容され
家具や工芸に重用されるのと異なり

白っぽくって、軽く柔らかく、すぐ腐るので
使い道がありません。

かつては、マッチの軸や下駄等に使われたそうですが
何れも、最終製品として需要が少なくなっているので
素材(丸太)としても売れる物ではありません。

また、その材質から炭や薪としても不適ですし
ナメコの原木としては、植菌初年度から発生するものの
他の木と比べると持ちが悪く、2年程度で腐ってしまうので
使用する人はあまり居りません。


そんな訳で、収穫対象として認識されて来なかった事から
大木となったものを随所で見かけます。
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成長力が旺盛なので
隣の植林されたスギにも負けていません。
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と言う感じで、存在感のある樹で
人間にとっては「役立たず」にはなってしまっていますが
他の木に先駆けて、渓畔林を形成し、高く大きく育つので
水辺に関わる昆虫、魚、鳥達にとって
大いに貢献しているそうです。



















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