ちょっと気になるコーヒータイム

風景とか建築とか、その他もろもろ・・
           Messages from Masaki Fukumoto

平戸

2008年06月30日 15時29分18秒 | 長崎県松浦市周辺のこと
 長崎県北西部に位置するこの島は、日本史において戦国期より度々登場するのだが、それまで九州北西部に割拠した下「松浦党」の覇者、平戸松浦氏の本拠地である。
 平戸には数々の歴史上の史実が残されているが、この写真にあるように、海外との関わりも大変多い。
最も関係があったのは今の中国かもしれないが、記念聖堂がある聖フランシスコ・ザビエルの滞在やスペイン人宣教師聖ペトロ・バプチスタは二十六聖人の殉教者の一人であり、またポルトガル人やスペイン人が貿易を求めて来航し、後にはオランダやイギリスも商館を設置している。

 スペイン船の来航は1584年のことだが、当時の平戸の様子はどうだったのであろう。

 平戸松浦氏は鎌倉時代、室町時代と今福松浦家を宗家とする「松浦四十八党」の一家であったが、戦国期までにはその中で確固たる地位を築き、徳川幕府が開かれると、大名となって現在の長崎県北部一帯を統括した。スペイン船が来航したのはちょうどその頃である。

 廃藩置県の時には一時「県」にもなったところであるが現在は過疎化が進み、周辺の島々を併せた合併後の推計人口は現在36,150人程となっている。

 数々の歴史が残る地域だけに、何とか頑張ってその文化を後世に伝えて欲しいと願っている。
mm

まさき設計
 

幼い頃の「夢の世界」

2008年06月17日 22時13分33秒 | これでもエッセイ?
 僕にとって、例えば現在のアラブ辺りは「アラビアンナイト」の世界であり、名前も「ペルシャ」であって欲しい。頭にはターバンを巻いた男の人が、何というのか先が細くて上に丸まった靴を履いていなければならないのである。勿論砂漠にはラクダの商隊がいなければならない。
この頃は「アガル」と言うらしいが、白いスカーフの上に丸い輪をはめているスタイルを多く見かけるが、テレビなどでスーツにネクタイを締めたアラブ系の人を見ると、何かちょっと寂しい。

 同じように、「灼熱のインド」では女の人はサリーを着、男の人はターバンを巻いているのがいいし、「熱帯のアマゾン」は未開の地であって、巨大な魚やアナコンダなどが生息し、見たこともない原住民がいるのである。

 アフリカでは真っ黒で怖ろしいゴリラが森を支配し、キリンや象、シマウマがサバンナを闊歩し、ライオンが走り回る。
エジプトには巨大なピラミッドがあってそこには呪いがかけられており、近くには一度迷い込むと二度と生きては出られない怖ろしい広大な「サハラ砂漠」があるのである。決してジープなどで軽快に走り回ってはいけない。

 う~ん、こう書いてくると我が日本でも「サムライ」がいてチョンマゲを結っていなければならなくなるか・・・。
「武士道の精神」だけは、現代にこそとても素晴らしいのだが・・・。

 世界は交通網の発達によって大変狭くなってしまった。利便性を追求するあまり、歴史風土とか固有の文化はどんどん失われていってるように思えるのだが、誠に残念である。(ちなみにこの写真はネット上の拝借物です)

 皆さん、そんなに早く移動しなければなりませんか?

              mm

まさき設計

苦悩する建築

2008年06月10日 00時29分04秒 | 建築的に
 複雑怪奇で大変気苦労が多い建築申請業務は、確認が取れるまでに時間もかかり、また中国の経済発展の影響による国内材料の高騰などで不景気に一層拍車がかかった建築業界だが、関係省庁でもハウスメーカーに偏った法体系の整備が目立ち、このことでは建築の現場にも思いもよらない影響を与えている。

このところ和風の住まいの仕事が続いているのだが、数寄屋などをやると、いろいろなところで限界が見えてくるのである。

 建築基準法で決められた色々な金物が邪魔な上に高い。
 乾燥した無垢材がなかなか手に入らず、高い。
 大工や左官など腕のいい職人は非常に少なく、高齢化が目立ち後継がいない。
 銅板など金属がやたら高く、職人の腕も冴えない。

など揚げるときりがないが、日本の文化でもある在来工法が、根本から消えかかっているような気がしている。
今や住まいは工場生産品である各種の建材を、ビス止めやボルトで組み立てることによって成り立ち、熟達した「職人」を必要としない。

昨年も現在の建築行政や現場に見切りを付け、設計事務所を閉じた知り合いが二人もいる。
 僕も大工さんや左官職人さんたちが、もっと活き活きと活躍出来る建築現場の創造をめざして今日も頑張っているのではあるが、ハウスメーカーしか見えていない国が相手では、多勢に無勢である。

 僕はこの頃の「新建材」で出来上がった住宅を見ていると、何となく息苦しさを感じるようになってしまった。この先大丈夫だろうか・・・。

          mm

まさき設計