米国株が再び強気相場入りしたほか、米経済は一貫して予想を上回ってきており、リセッション(景気後退)の脅威は完全に過ぎていないにせよ和らいだと、ゴールドマン・サックス・グループは示唆している。
しかし、このような考えは投資家に重大な間違いを犯すリスクをもたらすと、フィデリティー・インターナショナルやアリアンツ・グローバル・インベスターズなど債券運用で世界大手の一角は指摘する。こうした企業は景気下降の予測を維持し、リスク資産での賭けをヘッジするよう助言している。
過去10回連続利上げによるダメージは既に起きており、何かが壊れるまで主要中央銀行がタカ派姿勢を堅持する中、3月の米銀3行の破綻は今後起こる大きな危機の一端に過ぎないというのが、そうした企業の見方だ。インフレが高い水準に根強くとどまる中、先週にはカナダとオーストラリアの中銀が予想外の利上げを実施し、米金融当局に今後の会合で追随するよう一定の圧力をかける格好となっている。
フィデリティー・インターナショナルの債券担当グローバル最高投資責任者(CIO)、スティーブ・エリス氏は「私が最も警戒しているのは信用収縮のようなものだ」と指摘。中銀の引き締め継続は、彼らが「昨年の闘いに挑んでいる」ことを示していると述べた。
ゴールドマン・サックス・グループは先週、米経済が向こう12カ月以内にリセッション(景気後退)に陥る確率の予想を25%に引き下げていた。