中小企業診断士 福田 徹 ブログ

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小規模企業共済は本当に有利?

2009年06月05日 | 福田徹の経営
 皆様、おはようございます。今日は6月5日金曜日、私は中小企業診断士の福田徹です。

 小規模企業共済は本当に有利なのでしょうか。顧問先が加入していたので小規模企業共済について調べてみました。



 常時雇用する従業員が20人以下の個人事業主や小規模企業の経営者が加入できる小規模企業共済は、いわば事業主・経営者の退職金制度です。

 掛金全額が所得から控除となること(税額が少なくなることがある)、自動的に引き落とされるため計画的に積立可能なこと、差押禁止債権であることなど有利で便利だと言われている共済制度です。


 ところが、今回調べてみると、たった今の厳しい個人事業・企業の経営状況においては、状況に応じて注意しながら利用した方が良さそうだとわかりました。

 まずは、途中解約が非常に不利であることです。廃業、承継などで本人が仕事を辞める場合か、15年以上掛金を払っている65歳以上の方の場合以外は、共済金を受け取れず解約扱いになります。

 解約すると、基本的に払い込んだ掛金の80%(加入7年後から順次払戻率が改善)しか返ってきません。今般の厳しい状況の中で、共済を現金化したいという状況が考えられますが、解約するととても不利な扱いを受けます。

 こうしたときは、掛金の枠内での貸し付けを受けられる制度を利用できますが、その場合利子を支払うことになります。

 つぎに、所得税の節税効果です。この共済の案内パンフレット(PDF)では、「課税」所得が400万円のケースで掛金月3万円(年36万円)の時には、10万8千円の節税効果があるとうたわれています。

 しかし、事業所得や役員報酬が低くなっている今般の状況では、ご本人の「課税」所得金額により、十分な節税効果を得られていない可能性があります。

 効果がないところに、今般において大切な現金を支払うことはありません。

 もともと、共済金は大きな利殖を期待できないものです。そのうえ節税効果がないのであれば、掛けるのをやめたいところですが、解約は上記のとおり不利なので考えにくいと思います。

 そこで、(今の状況で節税効果が無い場合)高所得が見込めない間は、共済掛金を最低額の月1000円に減額(※1)して続けることも考えて良いでしょう。


 以上、小規模企業共済について、今回気付いたこと考えたことです。
 
 いろいろと書きましたが、事業所得や役員報酬などが十分に得られているときには、とても有利な制度であることには変わりありません。

 良い制度なので、個人事業、法人からの報酬の状況に応じて、上手く使いましょうと言うことです。


※1掛金は、1000円以上70,000円まで500円単位決めることができます。また、途中の変更が可能です。
※小規模企業共済についての詳しいことは以下の中小企業基盤整備機構サイトをご覧下さい。
小規模企業共済のページ
小規模企業共済パンフレット(PDF)



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