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中小企業診断士 福田 徹 ブログ

経営コンサルタント・中小企業診断士・ビジネスファシリテーターによる経営者・起業家・管理者向けブログ

パートさんの商品企画会議

2011年11月09日 | 福田徹の製造業

 「企業様を元気にして日本の明るい未来をつくりたい」

皆様、おはようございます。(株)ビジネスファシリテーションのファシリテーター・中小企業診断士 福田 徹です。

昨日は、某食品製造会社で女性社員と女性パートさんを集めた商品企画会議を行いました。

会議の主目的は当社再生の意思統一=ベクトル会わせでしたが、とても議論が盛り上がり実際に使えそうな商品企画アイデアもでました。

何十年と勤めていても、これまで一度も自社製品についてまともに話し合う機会がなかったそうであり、良い機会になったようです。

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VA/VE大会

2010年03月25日 | 福田徹の製造業

 「企業を元気にして日本の明るい未来をつくりたい」

 皆様、おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。


 昨日は某社でVA/VE大会をしました。


 VA/VEは、顧客の要求仕様に対し、部品やユニットの最適設計を考えることを言います。

 「顧客にとって価値が無いことにお金がかかっていないか」を、部品やユニットそれぞれの材質、形状、加工方法、加工工程、表面処理等について洗い出す作業という言い方もできるかも知れません。
 
 
 頑張っている製造業では提案システムがあったり、こうしたことに関しての定期的なミーティングが行われていたりするわけです。

 一方、某社ではこうしたシステムや取り組みが今までも、そして特にここ数年は滞っていました。


次々に浮かぶアイデアが飛び交い盛り上がる


 今回の某社では、効果のありそうな図面を事前にピックアップしておいて、各部門を集めて、一気にVA/VEをかけました。


 製造業の方々は皆さん本質的にものづくりが大好きです。

 技術(設計)、生産管理、製造の各部門がそれぞれ持っている知恵を出し合えば、結構色々なアイデアが出てくるモノです。


 「やった方が良いとわかっていても今までできなかった。」

 「それが、実際にやってみると思っていた以上の効果があった。」

 これが、某社の方々の感想だったと思います。


 私は、組織が活発に動き出して、働く人がいきいきとする様を見るのが大好きです。

 そうなるべく、外部からかつ裏方としてそれに関与できることは、コンサルタント冥利に尽きることだと、某社の方々の楽しそうな議論を聞いていて感じていました。


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靴のめぐみ祭り市2009~玉姫稲荷神社

2009年10月18日 | 福田徹の製造業
 皆様、おはようございます。今日は10月18日日曜日、私は中小企業診断士の福田徹です。


 「こんこん靴市」と「靴のめぐみ祭り市」は年に春秋に行われる台東区内の製靴業者のお祭りです。

 そのうち秋に行われるのが「靴のめぐみ祭り市」で、安くてお得な靴の直売が人気で毎年多くの人出があります。


 私も毎回安くて履きやすい靴を探しに行くのを楽しみにしています。


 皆様も一度いかがですか?


 今年は、11月28日(土)29日(日)に行われます。

 概要と地図は↓を参照下さい。







【開催日時場所等】
日時:2009年11月28日(土)29日(日)(9:00~5:00)
場所:玉姫稲荷神社境内及びその周辺道路
地図:台東区清川2-13-20
交通:JR常磐線・地下鉄日比谷線・つくばエクスプレス南千住駅から徒歩約15分など




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工場はおもしろい

2009年06月26日 | 福田徹の製造業

 皆様、おはようございます。今日は6月26日金曜日、私は中小企業診断士の福田徹です。

 
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 工場でものづくりを見ているとおもしろくて飽きません。

 私は直接製造業で働いた経験がありませんが、中小企業大学校診断士養成課程の経営診断実習では、4社の工場で資料収集やヒアリングに加えて製造現場も見させていただきました。

 そこで感じたことですが、工場はとてもおもしろい所です。工場の雰囲気や機械の音、そこで働く方々の持つ、ご本人の仕事への自信とか誇りにはグッと来るものがあります。

 つまり、診断実習で製造業を訪れた経験から工場のおもしろさを感じたため、製造業のコンサルタントもいつかはやってみたいくらいに思っていたのです。

 ところが、何となく考えていたことが、すでに6月から始まっています。

 自分がやりたいと思っていたことなので、気合いをいれて取り組んでいます。


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食品の信頼回復はしくみとITで

2009年06月18日 | 福田徹の製造業
 皆様、おはようございます。今日は6月18日木曜日、私は中小企業診断士の福田徹です。今日は、一度は消費者からの信頼が地に落ちた冷凍食品の信頼を回復するお話です。


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 先日、新聞に「味の素の冷凍食品がいかに安全安心にこだわっているか」についての全面広告が掲載されていました。
 毒入り餃子騒動などで消費者からの信頼が地に落ちた感がある冷凍食品ですが、味の素は安全なしくみと安心感を得られるトレーサビリティの確保により、信頼回復に真正面から取り組んでいるようです。

 安全なしくみとは、原材料を作付けする農地を選ぶところから、製造工程、流通経路、保管に到るまでの工程を管理するしくみです。


工程管理による安全なしくみ(味の素サイトにリンク)

 味の素の餃子は、こうした安全のしくみを消費者の安心感につなげるために、パッケージに製品個体番号を明記しています。


新聞広告より:パッケージの記号で問い合わせると材料や製造・流通過程の履歴がたどれる


 消費者がパッケージに記載された番号を問い合わせると、すぐに生産地から製造・流通過程のすべての履歴がわかるということです。
 このように、食品の履歴をたどることができることを食品トレーサビリティと言います。

 精緻な食品トレーサビリティを確保するためには、膨大な情報を製品ごとに(製造ロットごとに)管理しなければなりません。

 しかし、この膨大な情報管理をアナログな方法でやることは現実的ではありません。

 だから、味の素のケースのように精緻なトレーサビリティを確保するためには、バーコードやICタグを使った物流IT化が必要です。


 味の素は、安全な食品製造のしくみを作って、それをITを使った食品トレーサビリティ確保により証明し、消費者に安心感を与えようとしているようです。
 

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超熟は意外においしい

2009年02月10日 | 福田徹の製造業

 皆様、おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。2月10日火曜日、今朝1時の東京・小平は晴れ、気温は4℃です。



 ここのところ、スーパマーケットの買場(顧客から見た売場)を見ていて、気になった敷島製パン超熟を買って食べてみました。



 そういえば、いつもはパン屋さんで買うことが多く、ナショナルブランドの食パンを買うのは随分と久しぶりな気がします。正直、私には小学生当時の学校給食のあまり質の良くないパンのイメージから、工場で大量生産したパンは美味しくないという固定観念があります。だから、久しぶりなのです。



 眺めてみたり、香りをかいでみたり、折り曲げてみたり(笑)すると、もちもちして小麦の香りがします。意外に良いんじゃないですか?
 食べてみると、自然な甘みが口に広がります。これ美味しいですよ。焼きたてでもないのに、この香りとやわらかい食感はすばらしいと思います。

 製品の袋には、そのこだわり製法が書いてあります。いわく「小麦を熱湯でα化し、低温で長時間熟成させ焼き上げる」とあります。α化とは熱ででんぷんが構造変化してどろどろになる状態だそうです。
 この製法の採用により、イーストフードや乳化剤の2つの添加物を使わないで済むようです。そして添加物を使わないことにより、より小麦本来の甘みと香りを引き出すことができているそうです。

 この商品、スーパーマーケットでかなり大きなフェイス(棚の間口)を占めています。つまり売れているわけです。おいしさや安心にこだわって、そのこだわりが顧客に支持されているという幸せな商品ですね。
(2月16日:関連記事超熟(2):スーパーマーケットの買場をアップしました)


※未見ですが、この商品の開発とブランディングのストーリーを描いた「超熟ヒットの理由」という書籍も出ています。興味がわいたのでamazonで中古本を購入してしまいました。尚、中古本は50円からで、まだいくつか残っています。

※関連記事
超熟(2):スーパーマーケットの買場
超熟(3):万年業界2位体質からの脱却

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石鹸と金型

2009年01月28日 | 福田徹の製造業
 皆様、おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。1月28日水曜日、今日は久しぶりに中小企業大学校での仕事です。大学校の仕事は、一度に多くの方々とお会いしお話することができるのでとても楽しみです。

 さて、今朝は石鹸のお話です。

 先日、100円ショップで無添加石鹸を買いました。100円ショップに無添加石鹸が販売されていることに多少の驚きを感じながら、「100円ショップで扱うほどの大量のロットで無添加石鹸を作るということは、つまりそれほど大量に売れるんだな」などと考えながら購入しました。

 ところが、この石鹸を使ってみると、とても使いにくいのです。どういうことかというと、石鹸を泡立てるために両手の手のひらの中で転がす動作がうまくできないのです。なにか引っかかって、うまく転がってくれないのです。


(写真は未使用の石鹸を撮影)

 どうしてだろうと石鹸をよく見てみると、この石鹸は片方だけしか面取りされていません。上の写真でわかるでしょうか。左側は面取りされているのに右側はストンと切り落とされています。右側から見たのが下の写真です。



 このように、石鹸の片側は直角に切り落とされています。これでは、使いにくいのです。

 この商品は、香川県の企業と大阪の製造業企業が作った商品のようです。100円ショップに卸すくらいですから、かなり原価を抑えた商品なのは確かです。

 原価を抑えるために、何か別の物を作るための金型を流用し、こんな形の石鹸になってしまったというところでしょうか?はたまた、石鹸を作るノウハウを持たない企業が、金型の設計を誤ったか?それとも、はじめから半分に切る製造工程を設計し機械での面取り工程を省略してしまったか?など興味は尽きません。

 どうしてこうなったか、どなたか事情がわかる方がいたら教えて下さい。

 石鹸の真実はさておき、この一件からわかることがあります。それは、石鹸のように単純な形状の物であっても、製造する際の金型にはノウハウが詰まっているということです。
 そして、私たちが日頃あたりまえと思っている「商品の使いやすい形」は、こうしたノウハウの蓄積があって今の形であるのだ、ということにも改めて気付かされます。


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コンサルタントの役割:外からできること

2008年08月13日 | 福田徹の製造業
 ある製造業のコンサルティングで実際にあった話です。

 その企業では、完成品の不良率の多さに悩んでいました。
 顧客が非常に不良に厳しい業界であるため、工程1工程2、とくに工程2では完成品検査を厳格におこなっています。完成品検査で不良がでた場合、原因についても分析され、工程1、後工程2にフィードバックがかけられます。(この場合のフィードバックとは、不良の原因について、原因となった現場に現物を戻して、原因を更に突き止めて不良の生産を止めることです。)
 このような仕組みを運用しているにもかかわらず、工程1(前工程)が原因の不良が減らず、困っていました。

 その企業はプラスティック成形工場とめっき工場を持っていました。もともとは、めっき業からスタートし、成形工場には自社のめっき工場へ成形品を供給し一貫生産するためにあとから参入しました。
 当然のことですが、めっきの技術はあっても成形の技術は持っていなかったため、成形工場を立ち上げるにあたり核となる人を成形業界から雇いました。
 めっき業界と成形業界では、生産方法も製品不良についての考え方も違います。成形はめっきに比べ生産スピードが速く、また自在に製品を流せるめっきに対し、成形は金型の段取りに時間が掛かるため一つの製品を作り始めたら一定量を作り続けなければならないという違いがあります。また最終的に出荷するめっきに対し、成形は納品先に直に接していないため不良にたいしての感覚が鈍くなっています。
 人の違い、扱うものの違いなどによって、この企業内では小さな文化の断絶がありました。これも、不良が改善できない原因のひとつでした。

 前段の工程1が成形工場、工程2がめっき工場です。2つの工場で話を聞いてみると、立派なフィードバックの仕組みがあるにもかかわらず、そのフィードバックがどこかで途切れ機能していないために、企業内の2つの工場間で、不良原因の押し付け合いがおこなわれていました。
 
 そこで、私は企業外部からの視点で絡んだ糸を解きほぐし、次のような提案をし大変喜ばれました。
①フィードバック情報管理のルール変更
 情報流れをつくり、フィードバックのスピードを速める提案
②完成品検査の段階でトレーサビリティが発揮できる仕組み
 成形工場の誰が(どの機械が)いつ作ったものか、めっき工程終了後でも追える仕組みの提案
③企業内のギャップ解消
 社員のジョブローテーションや共通の朝礼などにより、工場間の文化の違いをうめる提案


 実は、この企業は非常に優秀な企業です。長年優秀な業績をあげられてきた企業で、マネジメントシステムを経営に活かしておられる素晴らしい企業です。私がお話したいのは、このような企業であっても外部からの視点が必要であるということです。上記の①~③のような基本的なことでも、内部の人間関係のしがらみや文化の不統一から、外部からの指摘がなければできないことがあるのです。
 
 経営者の皆様。コンサルタントは費用がかかる上、何をしてくれるのかわからないという不安がコンサルタント活用を躊躇されることと思います。コンサルタントは「外からの視点で中を見る」のです。これは、たとえ経営システムを確立されている企業であっても、企業内ではけしてできることではありません。
 「外からの目」としてコンサルタント活用をご検討下さい。また、その際は唯一のコンサルタント国家資格である、中小企業診断士をご用命下さい。

社員と共に創る企業の未来:「澤乃井」の小澤酒造

2008年08月12日 | 福田徹の製造業


 JR青梅線の沢井駅から多摩川に向かって坂を降りていくと、「澤乃井」の小澤酒造があります。



 小澤酒造は、元禄15年(1702年)創業の伝統を守り誇ると同時に、酒蔵見学をおこなうことにより顧客と社員との接点をつくる、さらに日本酒の未来を切り開く新しくて古い日本酒造りにも積極的に取り組んでおられるます。このように小澤酒造では、過去の伝統と現在の社員を活かし未来を創るという明確な意思をもった経営をおこなっているのです。

 約300年間の歴史ある酒蔵ですが、先代(現会長)とそれを受け継ぐ現社長の強い意思により、企業環境変化への対応がなされてきたようです。

越後杜氏から社員杜氏への技術移転
 もともと越後杜氏の手を借りて醸造されてきたものを、社員だけで成り立つように酒造技術の移転を図り、10年ほど前には完全に社員だけで醸造するようになりました。

酒蔵見学「顧客との直接のふれあい」
 昭和42年、酒問屋など周囲の反対と嘲笑をよそに、当時としては珍しい酒蔵見学をはじめました。すぐに売上に結びつく効果は出なかったが、10年後国内旅行のブームと共に奥多摩に人々の目が向けられはじめにぎわいを見せはじめる。そこで、多摩川縁で豆腐料理の料亭などを展開しました。

多摩川


 その後も酒蔵見学は積極的におこなわれています。
 小澤酒造の基本方針には

「お客様との直接のふれあいを求めて積極的に酒蔵見学を行い、澤乃井を取り巻く自然と酒造りに対する基本姿勢を訴えてまいりました。」と謳われています。

 見学の案内人は、社長をはじめ、各部署の社員が当番制でつとめます。直接、酒造りに関わらない社員を含めて、多くの従業員が自社の歴史、現在、未来を顧客に語るのです。
 


酒々小屋(見学の控室・勉強室)


醸造タンク(この建物は夏でも冷房なしで涼しい)


 
高品質指向路線から「蔵守」(熟成酒)へ
 昭和52年、世間がまだ日本酒を再発見する前の時期にいち早く生酒とか純米酒を販売しはじめ、「秩父古生層の岩盤を掘り抜いた洞窟の奥から湧き出づる仕込水、連なる山々と豊かな緑、澄み切った奥多摩の空気、選りすぐった原料米、研き上げられた技、それを結集して一滴の美酒として仕上げ」る澤乃井ブランドを築きあげました。
 平成9年、日本酒熟成酒「蔵守」の発売。日本酒の未来を見据えた戦略的商品です。お話をうかがうと、熟成酒は従来の日本酒とは全く違う香り味わいであり、従来の日本酒ファンにはすぐには受け入れられないということです。新たな日本酒ジャンルを築き、新しい市場を創る取り組みが必要ということです。




伝統の継承と酒蔵見学は社員を通じて企業の未来につながる
 杜氏の技術を社員に移転したことは、自分たちの意思で製品・商品を生み出していくということです。伝統にしがみつくのではなく、伝統を活かしてあらたな環境に自らの力で適応するという決意の表れです。
 酒蔵見学の継続的実施は、社長・社員杜氏を含めた各部署の社員が自分たちの創る酒(製品・商品・サービス)について顧客からの反応を直に感じるアンテナです。常に顧客と直に接する事により、顧客の求める製品・商品・サービスの姿を各部署で感じることができます。
 この「伝統の継承」と「酒蔵見学」が、日本酒の未来を託す古くて新しい酒「蔵守」、そして社長以下の社員の「一体感」を生み出しています。
 酒蔵見学では、案内当番社員の言葉で、小澤酒造の過去・現在・未来が語られます。顧客に末端社員が企業の歴史や夢を語るなんて、そんな「夢のある企業」はそうありません。
 言い方を変えると、酒蔵見学の案内を通じて社員がトップの方針を繰り返し反芻しているのです。これにより、先に挙げた基本方針のもと社長以下がまとまって力を発揮しています。

 「蔵守」が受け入れられる新しい市場を一から開拓するには多くの時間が掛かります。しかし、小澤酒造はトップの方針のもと社員が一体感を持って強くまとまって行動することにより、きっと「蔵守」を成功させることでしょう。

 
 小澤酒造の事例は、老舗企業が伝統に溺れずに未来を自分たち社員と切り開く方法を示しています。
 それは、
 ①製品を自分たちの力で創る力をつける
 ②顧客との接点を創る
 ③トップのもと共通の目標に力を集める
 です。

 小澤酒造はこれら3つと
 ④地域の資源(多摩川の景観、湧水)をうまく活用する
 を、うまくつなぎ合わせています。

 しかしそれは
 ⑤方針のもと継続して時間を掛けてやり遂げる
 ためのトップの強いリーダーシップは不可欠です。

 
 この事例のように、2代にわたり努力を積み重ね更に、夢を紡ぎつづけるような企業にこそ未来があるとわたしは思っています。

 経営者の皆様、経営革新は「今すぐに」はじめる必要があると同時に、「時間を掛けて」おこなう必要があります。さあ、「夢」を語る「未来ある企業」づくりを「今」始めて下さい。応援いたします。

こんこん靴市

2008年04月27日 | 福田徹の製造業


 台東区清川にある玉姫稲荷神社「こんこん靴市」に行ってきました。小雨が舞う中にも関わらず、多くの人が訪れており盛況でした。地域柄、路上生活をされている方の多い地域です。近くのアーケード商店街「いろは会ショップメイト」は、空き店舗が多くなっており、各店舗の皆様は苦労をされているようです。

    

    
 
 
  「こんこん靴市」は、昭和59年から玉姫稲荷を氏神とする近隣の靴関連業者が、商売繁盛と地場産業の発展を目的に境内を利用して行っているイベントです。靴などの革製品、衣類などが安く販売されると評判のイベントです。私も、手ごろな価格で品質が良い革靴を一足買いました。

    

 東京都内には、靴・カバン・ベルト等の皮革製品を作る製造業者が集中しています。特に、玉姫稲荷のある台東区内には、靴の製造業が集積しています。その地場産業である靴製造業の方々が地域ではじめた 「こんこん靴市」は、今年で25回目となりました。

 このイベントは地場産業と地域が手を組んで地域内外から、多数の人をよぶよい例ですね。

 「こんこん靴市」は本日(4/27)まで行われています。お薦めです。

住所:台東区清川2-13-20

コンサルタントの仕事:山田日登志さん

2008年04月15日 | 福田徹の製造業
 NHKプロフェッショナル仕事の流儀「工場再建・山田 日登志」という番組を観ました。
 山田さんは、現場に潜むムダを徹底的に排除することで、工場の力を最大限に引き出すコンサルタントです。また、90年代にソニーやキヤノン、NECなどの工場でセル生産方式指導したことで有名な方です。
 番組では、山田
さんがコンサルタントとして、「ムダを見つけて指摘する」「あえて鬼になって意識を変えさせる」「さらに突き放して自分たちで考え、工夫させる」ことにより、工場の生産性を大きく向上させる様が描かれていました。
 山田さんは、「
社員のやる気を引き出せば、工場は無限に強くなる。」という信念を持っています。そのために、駄目な点はハッキリと指摘し、時には厳しいことを言う、また時には突き放して自主的現場改善を求めます。

 製造業の現場では、皆が真剣に良いものをつくろうとしています。ところが、作業者がよかれと思ってやっている事が「ムダ」であることがあるわけです。コンサルタントの目から見るとムダな事でも、作業している者からすると誇りを持ってやっている自分の仕事です。下手に指摘しても反発をされて改善は進みません。だから、作業者の意識を変えて、工程を改善していくことは非常に難しいことなのです。さらに、こうした工程改善を自律的(自分たちで考え、続ける)にさせることは困難を伴うことです。

 その点山田さんは、時には「冷静な専門家」として問題点をズバッと指摘し、また時には「信念を楯に一歩も引かない指導者」として意識変革を促進し、そしてやがて、育った子どもを親離れさせ巣立たせる「父親」役を演じます。状況に応じて一人で複数の役割を演じわけることにより、作業者の意識を変革し、作業者が自律して工程改善を続けるところまで現場を育てるのです。

 経営者の意図の元、企業外部の者として現場に的確な影響を与えて成果を上げていく。この仕事の魅力の一つは、人と組織の成長に立ち会える事だと、私は思っています。
 私は、この番組内で山田さんに導かれ本人の工夫により工程改善を果たした現場作業者のうれしそうな顔と、それをうれしそうに見つめる山田さんの表情を忘れません。これからのコンサルタント活動における励みにしたいと思います。