皆様、おはようございます。今日は6月15日月曜日、私は中小企業診断士の福田徹です。今日は昨日の続きで、中小企業の繰越欠損と借入返済、そして法人税の関係について考えます。
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この2日間、このブログでは、過去の繰越赤字を抱えていながら、法人税の繰越控除を受けられないケースについて考えています。
昨日のブログでは、過去の累積欠損を7年間分は、今年度の所得額と相殺させることができる制度につて説明しました。
また、決算書に累積赤字を抱える企業が、銀行からの借り入れを続けるために黒字決算せざるを得ないことについても考えました。
さて、いよいよ本論です。
借入返済にはタイミングがあります。返済のタイミングとは、一つには借入の原因である投資(建物・造作・機械・・・)の償却期間であり、また(中小企業であれば)繰越控除を受けることができる7年間です。
なぜならば、このタイミングを逸すると損益計算書及び税金計算上の「無理と無駄」が生じるようにできているのです。
どういうことか考える前に押さえておきたいことがあります。
それは、企業が借入金を返すということは、儲けて黒字化して利益を出し、その利益の中から返すと言うことです。
ところが、企業が儲けを出すと、当然法人税や法人住民税・事業税などがかかってきます。ある程度利益を出して借入を返すためにある程度利益を出していくことを考えると、その税率は40%程度となることを覚悟しなければなりません。
つまり、借入を返すために、利益を出してもその40%は税金に取られるのです。逆に考えると、100万円の返済をするためには約170万円の利益を出さなければならないと言うわけです。
(正確には返済するときに必要なのは利益ではなく、現金ですがここでは簡略化して考えます。)
なんだか、ばかばかしいですね。
そうならないために、税金計算上で利益を減らす2つの損金算入項目があります。
その一つは減価償却費です。借入の原因となった投資の償却期間に、償却と返済を共に進めていくと、税務計算上の利益が出ていなくても損金計上分の減価償却費分の現金が無税で生まれているので無理なく返済することが可能です。
また中小企業であれば、昨日のブログで説明した繰越控除の制度を使えるわけです。この制度を活用すれば、借入の原因となった投資の効果による黒字分を、借入による利子や過去の赤字分で相殺し税額を低減しながら、無駄なく返済を進めることができます。
つまり、借入返済は、本来の借入の原因となった資産の償却期間やその資産による収益増分を相殺できる7年間に行わないといけないと言うことです。
ところが、昨日お話ししたとおり、現実に猶予期間の7年間、銀行からの血を止めないための延命処置(=少額黒字決算)を続けてしまってきた企業があります。
こうなると、この企業が将来、本当に黒字化することができたとしても、半分近くは税金に取られてしまい借入返済が思うように進みません。こうした事態に陥ったある経営者は、借入返済の原資は税抜き後利益であることさえわからずに、この事態を招きました。
借入を増やしながら、無理して黒字決算を続けていればこうなるということは、税や会計がわかる人にとっては自明のことのはずです。
それにもかかわらず、現実にこうした企業があり、繰越控除を活用できないことのデメリットについての説明を受けていない経営者が現実にいます。
何を言いたいかというと、場当たり的な経営の裏には、専門家の場当たり的な対応が見えるということです。
この企業で決算や記帳をしてきた専門家の先生は、何をしてきたのでしょうか。少なくとも、理解できるように説明したり・警告したりするべきだったのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
中小企業診断士は税務の専門家ではありませんが、経営の専門家です。
経営の専門家とは、経営者が今回書いたような落とし穴に落ちないための専門家です。
そう考えると、私も「税」について、もっと勉強していかなければならないと今回感じています。
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