絹糸のしらべ

一絃の琴、きもの、文学etc…日本人のDNAが目を覚ます・・・

25年位前

2008年10月07日 17時03分37秒 | Weblog
ねずみ女房 (世界傑作童話シリーズ)
ルーマー・ゴッデン,石井 桃子,ウィリアム・ペン・デュボア
福音館書店

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この本はおよそ25年位前、文庫のおばちゃん達の間で
めちゃくちゃ人気がありました。
なぜかって?
その頃は今と違い、女性はまだ【寿退職】が主流で
「自分を主張して生きていく」「自分に投資する」なんてことが
あまりおおっぴらには語られてなかったように思います。
ですから、きっと、この主人公の「奥さんねずみ」に
自分を投影して、羽ばたいていく鳩に自分の憧れを託したり
したんじゃないかと思います・・・

いまじゃそんな「鳩」やら「ねずみ」やらなんぞに託す必要はなく
たいせつでたいせつでたまらなく「オンリーワン」な自分!!!に
すべてを託せばいいって時代。
しかし現実はそんなに甘くはない。。。

「たったひとりの」「世界中にひとりしかいない」「究極のベストワン」な
自分にも敗北のときが訪れます。
たまらなく【最上等の】自分が、実はそうではなかったという現実に
突き当たったとき、そのときこそが、人生が深くなる瞬間です。
自分神話が崩れるとき、はじめて「等身大の自分」が生まれるのであります。
人間、いや~なおもいやら、悔しい思いやら
屈辱的な苦しい体験から学ぶことは大いにあります。
これが楽しいことばかりじゃ、現実を把握する機会を失っているということに
なかなか気づけないし、傷つくことから逃げてばかりいると、
ますます現実から乖離して行くような気が・・・
傷つき、くたばりそうになりながらも、立ち上がって歩き出せば
いまよりもっとたくましい人に、きっとなれます。


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