絹糸のしらべ

一絃の琴、きもの、文学etc…日本人のDNAが目を覚ます・・・

韓国ドラマ「あなたの寝ている間に」

2014年03月21日 02時52分47秒 | Weblog
初めはいつもの韓国ドラマらしく、ドロドロの復讐ものと思ってみていたけど・・・
途中からそうではないかもと・・・
なかなか話が先に進まず、長丁場に合わせて引っ張っている感もありましたが
あと最終話を残した今になって思うと、実によくできたドラマではないかと
思います。

極端に小さい人間関係の中でお話が展開するので
韓ドラ見たことない人には「ありえへん~!」と拒絶反応がおこりそうです。

そのお話は・・・
医療事故でこん睡状態に陥った妻が、その渦中に夫に離婚されるが
医療事故を起こした女性医師はかつての夫の恋人で、子どもまであった。
女医に促されて、こん睡状態の妻と離婚した夫は女医と再婚するも
奇跡的に復活した元妻から、医療事故の真実や非人道的行為を世間に暴かれ
元夫を取り巻く人間たちの生活がどんどん困窮していく。
誠実に生きようとする元妻には、次から次へと困難が降りかかり
利己的な生き方しかできない女医は彼女に不幸を与える疫病神のようでもある。
最後は宿敵ともいえるこの夫婦に、元妻は肝臓まで提供して
悪縁を断ち切ろうとするのだった…


よくよく考えれば、この元妻は苦悩しながらも「理性」とか「人間愛」を
体現する人物であり、女医のほうはどこまでも「利己愛」から抜け出せない故に
さらに他人を傷つけ家族全員を破滅へ巻き込んでいく存在であります。

このドラマにはほかにも「家族」「血縁」等で
さまざまな人間模様が描かれていますが(それも極端なことばかりだけど)
周辺の物語の中で特に印象に残ったのは
養子として育てた娘を事故で亡くした元妻の母親が
その子を施設に捨てた実の母親に、行き場所がないならここで一緒に暮らそうと言う場面でした。
苦しみながら、ぶつかりながら、その子のことを偲んで一緒に暮らそうと
けなげなその母親は言うのでした。
その子のことを思うと捨てた実母のことが憎いけれども、
自分は、その子にそっくりな実母にその面影を偲ぶことができるし
その子が育ったこの家で、実母も彼女を偲ぶことができるだろうという場面は
なんて神々しい生き方か、とちょっと泣けました。。。
苦しみながらも寄り添うことで困難を乗り越えようとするその母親に
深い人間愛を感じました。