採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

やっこめ/焼き米/焼米

2020-11-05 | +パン・麺・穀類

また、「味がなくて美味しい」ものをご紹介します。

名前は「やっこめ」。
焼き米、焼米などとも呼ぶものです。
今回買ったのは、大分県産のこちら。

やっこめ

夏の交通会館マルシェに出店されていた方から購入しました。
まずはどんなものかご紹介。

やっこめ

早刈りの緑色の状態のお米を籾ごと釜で炒って、平たく潰し(最近はローラー、昔は杵で搗いたのだそう)、籾殻を除去したもの。
色は薄緑色で、形状はぺったんこです。

ぺったんこのお米といえば、インドやネパールの食材にチウラ(beaten rice 打ち米)というものがあります。
一度食べたことがありますが、そのまま食べることができるもので、サクサク、パリパリしています。
ごはんとカレーの上にさらにこれを少々トッピングして、サラダのクルトン的な位置づけで使われていました。
(他にも使い方があるとは思いますがまだよくわかりません)

日本にもチウラに似たものがあると知ってとってもびっくりしました。
でも、このやっこめは、そのまま食べるのはちょっと無理。 乾燥しちゃったごはん粒のように、ガギガギに固いです。
食べる場合はお湯でふやかしてから。

やっこめ

お湯でふやかすとこんな感じ。
横姿が写っている粒がひとつありますが、戻してももとのようにぷっくり丸くは戻らず、平たいままです。

大豆を蒸して平たくつぶした打ち豆が、もとの大豆とは違うみっちりした食感になっているように、このやっこめも、独特のもちもちした食感があります(原料はうるち米ですが)。

独特の歯ごたえもいいのですが、特筆すべきと思うのは、戻すのに使ったお湯の味わい。
青刈りの玄米は、まだ糖質がすべて澱粉化していないのかな、なんともいえない味の濃さ、甘みのようなものがあります。
重湯やおかゆの液体部分はデンプンの甘さ感だと思うのですが、それとは全く違う味わい。
微かな香ばしさがあるとはいえ、カリカリに炒ってあっておせんべいのような風味の玄米茶ともまた違います。
本来は塩などで味付けするようですが、私は素材のままのこの味が好み。
(ミネストローネスープに入れてもおいしそう)


お湯を注ぐだけで出来上がるインスタント食品ですが、そこそこの量食べる場合は、少量ずつ、その都度お湯をたっぷりに作って食べるのがおすすめです。(お湯が美味しいので)



やっこめづくりについて、お店の方(女性農家さん)に聞いてきました。

8月、まだ暑い時期に、田んぼの一番山側の、冷たい水が入り込むような場所の稲を刈り取って作るそうです。
そういうところは低水温により稲の育ちが遅く、最後まで成長不良なのでやっこめに向いているのだとか。

あと、この時期は、台風シーズンの直前。
台風が来る前に、成長の遅いエリアを刈り取ってやっこめにして確保しておくことで、台風でメインの田んぼが被害を受けた場合の予備食糧として備える、という意味合いもあったとか。
農業ってきめ細かく手順があるのだなあ・・・。


農文協の『日本の食生活全集』、ほぼ全県読んだつもりでいましたが、このやっこめについては初耳(ノーマーク)でした。
美味しいと分かってみると、がぜん興味が湧きますよね。

検索したところ、福島では早刈りではなく、種籾の一部をこの焼き米にしたりするとか(つぶすかどうかは不明)。
おそらく塩水選で種用の重たい籾を選別し、浮いちゃった籾を炒って食べるのではないかと思います。
(籾殻を外すためにやっぱ杵で搗くのかな・・・)


製造の様子のアルバムを持っていらっしゃったので、許可を頂いて一部、撮らせて頂きました。

やっこめ

これは炒るための釜。
稲穂を脱穀して籾殻にして、確かそれを何日か水に漬けてから炒るとか。
要するに、籾殻の中で蒸し焼き状態になる訳です。

やっこめ

釜の中。
底の方に籾が見えますね。


やっこめ

左上から、稲刈り、青い籾、釜で青い籾を炒る様子、炒りあがった籾(白っぽくなっています)、つぶして籾殻を取り除いた後(緑が鮮やか!)、出来上がったたくさんのやっこめ・・・だと思います。

お米の品種、収穫時期、炒り具合、つぶし具合などは、作る人によって様々だそうです。
検索した中には、赤米や紫黒米で作ったやっこめをみかけました。
今回のものは、古いローラーでつぶしているとのことで、それほど薄べったくはないですが、パワフルな機械だとヘランヘランに薄く仕上がったりもするとか。

通常のお米よりも手間暇がかかるため、今では作る人は少なくなっているそうです。
でも、農業文化のひとつですし、美味しいし、この先も長く残ってほしいなあ・・・。

やっこめ

製造・販売は。赤ねこ商店さん。朝日新聞での紹介記事も。
インスタグラムのページを持っていらっしゃって、マルシェ出店予定なども書いてあります。
この商品を扱っている食材ネットショップもいくつかあるようです。

 

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ぎんなん2020

2020-11-04 | +きのこ以外

11月になって、急に寒くなってきました。
木々の葉っぱも急に色づいてきています。

銀杏は、黄葉する前にやることが。
ぎんなん拾いです。

ぎんなん

10月25日、葉っぱがまだ青々している段階でしたが、ぎんなんはほぼ落ち尽くしていました。

ぎんなん

びっしり。

先日TVで見たのですが、高級ぎんなんは、まだ木になっている段階でもぐのだそうです。
そうすると、色鮮やかな緑色のぎんなんになるのだそう。
でも、街路樹などだと手が届くようなところには実っていないし、完熟の黄色いぎんなんも、美味しいと思うんですよね。

拾うときは、軸はその場で落とすようにして、実だけ持って帰ります。
拾ったあとは、軍手+ビニール手袋2枚を装着し、手でひとつずつ潰して中身を出します。
このとき、晴れてあたたかい日の昼間、風通しのいい屋外でやるのがコツ。
(拾った状態で数日おいておいても大丈夫なので晴れる日を待つ)
ぎんなん果肉は濡れて冷たいので、どんよりして寒い日にやると、ものすごくわびしい気持ちになります・・・。

私はいつも畑の脇でやっています。
(ぎんなん果肉が土にいいかどうかは分かりませんが、毒ってことはないと思うので・・・)

そのあとよく洗って乾かします。

ぎんなん
ぎんなん

最近、ここは大粒かなーと思って拾っているぎんなんは、縦長形状。

このあと、年内くらいに割って冷凍しておく予定です。

 

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芋頭2020:大き目

2020-11-03 | +その他

一昨年、ブログで知り合った天子さんに、台湾芋頭の品種の種イモを頂きました。
子芋を植えて、昨年は小さ目の親芋が収穫できました。

昨年は、葉っぱをむしるまで芋が出てこないくらいの小ぶりなサイズでしたが、
今年はとっても大きな芋が出来ましたよ!!

芋頭

地下にどいーんと芋が出来ています。


実はこれには理由がありまして。
昨年、大切な子芋を全部掘り上げて北側の部屋に保存しておいたのですが、春になって見てみると、寒さもしくは乾燥で、みんなしなびていたのでした・・・・。
仕方がないので親芋を植え付けました。
そうしたら、大きな親芋の栄養をぐっと吸い上げて、今年の親芋は立派に!


家庭菜園教本で、サトイモの場合はウイルス感染を避けるため、できれば孫芋を植える、と読んだことがあります。
でも、大きく育てたいならば、大きな芋を植えた方がいいみたいです。
こんにゃくも、毎年植え続けて3年もので収穫するのでしたっけ。


芋頭、霜が降りる前にしっかり収穫しなくては☆
今年は子芋も親芋も、冬季の保存、なんとか成功させたいものです。



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モンブラン

2020-11-02 | +お菓子(西洋)

奈良にお住まいのスヌーピーさんのブログに「ラ・ペッシュの有名なモンブラン」というくだりがありました。
どんなモンブランかしら!?

ラ・ペッシュのサイトに外観写真がありました。
食べログには断面写真も。

まんが日本むかしばなしに出てくる山、もしくはどんぶり飯のように、ひょろ~んと高くそびえ立っていて(縦横比 2.3:1くらい)、インパクト抜群!
断面は、比較的シンプル。
外側が栗のにょろにょろで、中は生クリーム。あと土台(メレンゲだそう)。

こんなに高ーく盛り上げているということは、何かの型に、絞り出した栗を型詰めしているのではないかしら。

・・・ということは。

型に詰めれば、(こんなに背が高くなくていいので)自分でもモンブランが作れそうかも?
スパゲッティのように途切れないように綺麗に絞り出すのは、とても出来る気がしなくて、これまでモンブランを作ってみるなんて考えたこともありませんでしたが、型詰め方式なら出来ちゃうかも??


丁度、直径8cmくらいのマロンバウムがありました。
あと、栗ペーストも冷凍してあります。
生クリームを買ってきて、作ってみよう!


まずは完成写真を。

モンブラン

わーい、もっこり盛り上がったモンブラン!
(背景がむさくるしくてすみません。ベランダでお茶タイムをしたのでした・・・。)

モンブラン

外側に、栗ペースト、中は生クリーム、土台はバウムクーヘンを2枚にスライスしたもの。


モンブラン

生クリーム100ccで、丁度2個出来ました。
栗ペーストは、1個あたり約100g。(300gのパックを解凍して、少し余った)

右が1個目に作ったもの。
マグカップにラップを敷く際に、ぴっちり敷きこむのを忘れたため、少し背が低めです。


モンブラン

栗のにょろにょろは、この穴を使いました。
内側に栗ペーストを入れ、手袋をした手でぎゅうぎゅうと押し出した感じ。
(今思ったのだけれど、底側からやるのもいいかも)
ほぼ栗100%なのでぽろぽろと途切れますが、型詰めすることで相互にくっつくので、何とかなりました。


モンブラン

栗そぼろをマグカップに入れ、側面はやさしく押し付けるようにして窪みをつくり、そこに生クリーム。
そして市販のバウムを嵌め込みました。バウムクーヘンなので穴がありますが、まあいいかなと・・・。

敷くのに使ったラップでフタをして、冷蔵庫へ。
(マグカップに詰めると、冷蔵庫にしまっておく間の管理がとっても楽!)


モンブラン

盛り付けは、ラップを剥いて、お皿に伏せて、そーっとマグカップを外します。



土台のケーキ部分が市販品だったので、ものすごく簡単に作れました。
これはいいかも。
栗ペーストは沢山あるので、また作ろうかな☆


■■型詰めモンブラン
■材料  2個分
生クリーム100cc
栗ペースト 200gちょい
土台用ケーキ(今回はマロンバウム)
・栗ペーストは熱々に解凍し、砂糖適宜、ブランデー少々を入れて混ぜる。
 (バターや生クリームを入れるとにょろにょろと長く絞れるようになるかも?)
・コランダーを使って絞り出す。
・生クリームをしっかり目に泡立て、粉砂糖、ブランデーを入れる。
・マグカップにラップをぴったり敷き、栗そぼろを入れる。側面にそっと押し付けるようにする。
 側面は薄くなりがちなので、気持ち厚めに。
・栗そぼろの窪みに生クリームを詰め、土台用ケーキにブランデーをふりかけ、押し付ける。
・ラップで包んで食べるまで冷蔵庫に。

※渋皮煮を中に埋め込んだりしてもいいかも?
※サツマイモで、お芋のモンブランというのもいいかも?

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