2007/7/2 「嘆きの橋」から見た大混雑の橋
ヴェネツィアは単位面積当たりの観光客数だと世界でトップクラスなのではないでしょうか?どこに行っても人・人・人。お正月の明治神宮とまでは行かないけれど、アメ横程度には混雑しています。7月初旬というヴァカンスシーズンだったせいでしょうか。閑散とした時期ってあるのかしらん?
よく観光ガイドブックに、危険なので街中で地図を広げたりなど観光客然とした行動をとらないように、なんて書いてありますが、この町では行き交う人の90%以上が観光客ではないかと思えるほど。露出度の高い軽装で(欧米人は日焼けする方を好みますからね)、小さめのバッグとガイドブックを持って、きょろきょろしながらゆっくり歩いています。
この環境でもしスリにあったら悔しいぜ、と思うほど。見渡す限りの群集のなかで私が一番マヌケに見える、ということですものね。
このような大混雑かつハイテンションな環境の中、文化財や美術品を鑑賞するのは少々困難です。
ある本にまさに私が感じたのようなことが書いてありました。
・・・問題点は、この街では競争者があまりにも多すぎるということだ。私は孤独でありたいのであり、独創的でありたいのであり、少なくとも自分自身に対して、毎日さまざまな発見をなしつつあるのだという、そういう思いがしたいのだ。今日のヴェニスは巨大な博物館であり、そこでは小さな回転ドアが絶えず回転を続け、きいきい音を立てていて、われわれはその施設の中を、一群の観光客とともに行進する。そこには発見や描写のための余地は皆無であり、独創的な態度を持することも、ほとんど絶望的であると言っていい。・・・
『郷愁のイタリア』(ヘンリー・ジェイムズ著、図書出版社)
これは「アメリカ文学界の巨人」(訳者あとがきによると)ヘンリー・ジェイムズが1869-1908年のイタリア(ヴェネツィア)訪問をつづった旅行記にある文章です。そうそう、そうなのよ、と共感したけれどこれが100年も前に書かれたことにびっくり。100年前からヴェネツィアは大変な観光地だったのですね。
「観光下男(観光ガイドのことだと思います)がわめいている」とか「サン・マルコ大聖堂はもはや巨大な屋台店になりつつある」など、現代と変わらぬ状況が書かれています。
でも、静かなヴェネツィアの街路を楽しむ方法が!
2007/7/2 サンマルコ小広場
2007/7/2 リアルト橋のたもと
2007/7/2 時計塔
(みてみて!人間が写ってないのですよ)
秘訣は早起き!
早朝の散歩はお勧めです。
「(人気の少ない町を走るとき)世界で最初の人間だと感じるときは最高だが、世界で最後の人間のような気がするときはどうにもやりきれない」というようなくだりが『長距離走者の孤独』(アラン・シリトー)にありましたが、まちの始動するようすを見るのは心地いいものです。早起きできるから時差があるのもよいものですね。
朝まず気づくのは、建設資材とヘルメットをかぶった人を乗せたモーターボート。車社会でいうトラックに相当するのですね。早朝、道路(運河)が混む前にお仕事開始です。
そして次に目に入ってくるのはお掃除する人々。広大なサン・マルコ広場をはじめ細かな街路隅々まで、大きな竹箒で掃き清めています(ごみのほとんどはタバコの吸殻。みんな携帯灰皿持てばいいのにな)。
この町を維持するのは大変なのですね。ヴァポレットが1回券6ユーロ(1000円以上に相当するのですよ!)もする理由も分かるような気もしました。でも、ちょっと前までは人間が約3ユーロでスーツケースは別料金だったのを、人間+スーツケース1個まで(あってもなくても)でこの値段に統一したのはちょっとひどいと思いますが・・・。
そしてカフェで机や椅子を並べる店員さん、お店にペットボトルの水など商品を運び込むひと。1回だけ、レストラン用なのか生のポルチーニ茸を運んでいるところも見ました。
人通りが少ないので町をゆっくり鑑賞することができるのもよいところです。写真を撮るために人の流れをせき止めてしまうこともないです。
ほとんどのショーウィンドウにはシャッターがかかっており、誘惑に負けやすい私でもほぼまっすぐスタスタ歩くことができます(ショーウィンドウが開いているとジグザグにゆっくりとしか進めません)。たとえショーウィンドウに誘惑されなく
ても、人が多くて昼間はさっさとは歩けないのです。
朝のうちに町の概要を把握しておくと主要な建物間の距離感もつかめるし、その日の行動に目星をつけることができます。
ただしお店がドレスアップしていない分、一部の観光施設以外の建物の古さが目につきます。かなり痛々しいものも多く、毎朝資材を運んで工事をしていても、結局崩壊のスピードの方が勝っているのではないかと悲観的になりそうです。いずれヴェネツィアは沈んでしまうという話もありますよね。
意外とパン屋さんが少ないのがちょっと残念でした。
そういえばイタリア人は買い置きのケーキやタルトなど甘いものを朝食にするのでしたっけ。朝ごはん前にちょっとパンを買いに、という文化ではないのかな。
ちなみに混んでいるときはこんな様子。
2007/7/2 昼間のサンマルコ小広場
天の川のような人混み部分はサンマルコ寺院に入ろうという人々の行列
2007/7/2 サンマルコ大広場
どこだかでやっていたパルマ派展とか、ペルジーノ展とか、ああいいなーと思っているうちに終わってしまうのですよね。
涼しくなったことですし、おしゃれしてお出かけしようかな。
でも、やっぱり本物には敵いません。ぜひ、一度行ってみたいです!
でもヴェネツィアの冬はものすごく寒い、と聞いたことがあります。大丈夫でしたか。
そう、運河バスのことです。数年前のガイドブックで3.5ユーロなので値上げはごく最近なのでしょうね。1日券の間違いかと思いましたよ。1回でその値段とはびっくりでした。
イタリアのおじさんにナンパされちゃったとは!かわゆい日本人の女の子が一人旅で心細そうに見えたのかな。無事で何よりでしたね~。
ヴォポレットって、バスみたいに運河を走っている船のことですよね? 昔はそんなに高くなかったと思います。ビンボー学生でも普通に乗れましたよ。それで近くの島まで足を伸ばしたりしました。そこで地元のおじさんにナンパされて、ちょっとあやうい目に?あったりしました。いやはや、イタリア人を知る良い機会でした(笑)。
秋でも人がいっぱいなのですね!風情を楽しむというより「観光エクササイズ」みたいなノリでテンション上げていかないといけない場所ですよね。
私が行った時は秋だったのですが夏は匂いがひどいと聞いたのです。
ゴンドラ一応は乗りましたよ。あそこでしかないものなんですもの。高いんですか?ツァーだったので全部添乗員さんがやってくれたのでさっぱりわからないです。
観光客がひしめいてるっていう感じでしたね。もう少し風情が欲しかったです。
Fujikaさんのように連泊して自分の足でいろんなところにいけるのは羨ましいです。
そういえばゴンドラはディズニーシーでも乗りました。
運河の匂い、蚊、まずい水道水を予想して行ったのですが驚いたことにどれもほとんど気になりませんでした。海水に囲まれているので本来なら蚊は少ないはずなのだそうです。数匹被害にはあいましたが、むしろフィレンツェの方が蚊が多かったです。
上下水も昔より整備されているのでしょうね。思ったよりずっと運河がきれいでした。ポメマルさんはゴンドラ乗りましたか~?我々はもう新婚じゃないし、高いし、別にいいよねー、という感じでした。
早朝に観光客の集団と出会ったときは別の意味でびっくりしました。夜行バスかしらん?
木工房私もちらりと見かけました。家具だったか、建具だったか。(観光以外の)仕事をしている人をみて、ああ、普通の生活も存在するんだなとほっとした記憶があります。
初めてイタリアに行った数年前以降ガイドブックの旅のトラブル欄、熟読しています(イタリアは怖いということをどこかで読んだので)。
プラハで、「写真を撮ってくれという人物+贋警官」という組み合わせの手口に出会って、あっ予習したとおりだわっ、と気づいたときは一抹の嬉しさがありました(テストでヤマがあたった気分かな)。3人づれだったし怖さも少なめで、ダッシュで逃げて被害はありませんでした。
プロバンス、また行きたいです・・・。
サンマルコ広場は人でいっぱいですものね。
夫が昔1人で行った時(仕事で移動中)町を見るなら早朝しかなくて早起きして行ったそうです。
でも寺院などには入れなくて後に2人で行った時は中をしっかり見てました。
余裕があると早朝下見してから行くのはいいですね。でもなかなか行動に移せません。
夏場は運河が臭いともききましたが大丈夫でしたか?