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採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

干し芋

2007-01-23 | +干し柿・干し芋・栗

最近天気も安定してきて、干し芋の作りどきです。
干し芋って、専用の品種(タマユタカなど)でないと出来ないと思っていらっしゃる方も多いと思いますが、そんなことないんですよ。紅あずまなどの、普通の種類で十分なのです。というかこちらの方がおいしい気がします。

母が昔から干し芋づくりが上手で、家庭菜園でサツマイモを作るところから始めて、大切に干し芋を作っています(まるで私が干し柿を丁重に扱うみたいに)。
ずっと母からもらうものだと思っていたのですが、いま住んでいるところ(茨城)はサツマイモの産地で結構安いので、これを利用せねば、と数年前から自分でも作り始めました。

神奈川県農業技術センターのHP「農産物の上手な利用法」にある干し芋の作り方に詳しい情報がありますが、母に教わった、あと自分が考えたコツを書いてみます。

■材料
サツマイモ(どんな品種でもいい)
ただし、秋(サツマイモを堀り上げる時期)に入手し、新聞などにくるんでやや涼しいところに保存しておき、年末頃から作り始めるとよいと思います。
秋、堀りたてのサツマイモはデンプンが多くほくほくしていますが(蒸すと白っぽいですよね)、冬までおいたイモを蒸すと透明感のある黄色になるのです。デンプンが水と糖分に分解されるのではないかと思います。
こういうイモを使うのが重要です。

いま時分(1月とか)でもスーパーでサツマイモは売っていますが、市販のおいもは出荷直前まで、傷まないように高温の適温の室で保存されている場合が多いと思います。いま買ってすぐ蒸かしてもおそらくほくほくのお芋で干し芋には向かないのではないかしら。
私の場合は秋に買いだめしておきます。特に小さいおいもが農産物直売所に出ていたら、買いです。丸干し芋が大好きなので。

■手順
1)皮付きのお芋を洗い、両端をやや大胆に切り落とす。これを蒸し器にセットし、弱火で水から蒸し始めます。
サツマイモの両端は筋張っていてあまり美味しくないため、気持ち多めに切り落とすようにしています。
お芋の大きさをある程度そろえておくと蒸し加減が均一になります。
焼き芋や栗などデンプン類はみなそうみたいだけれど、70度くらいの温度帯が長く続くことでデンプン分解酵素が働いてしっとり甘くなるみたいなので、水から蒸し始めています。

皮を剥いてから茹でたり蒸したりする方法もあるそうですが、生のお芋の皮むきは力も要るし大変なので、皮付きのまま加熱をお勧めします。

2)沸騰したら途中一度火を止め、10分ほどおいてまた火を付けます。これは効果があるかどうか分からないけれど、栗を甘くする方法として「蒸らし」の技があげられていたのでおいもでもやってみています。忘れても大差はないかも。

3)30分以上(1時間位でも)、じゅうぶん蒸します。表面の皮がぷわぷわになって、下敷きになっているお芋は重みで少し押しつぶされる程に柔らかくなっていたら火を止め、ふたをしたまま更にしばらく蒸らします。

4)こうやって十分蒸すと、かなりべちょべちょのおいもが蒸し上がるはずです。
軍手の上にビニール手袋を嵌めておいもをつかみ(まだ熱いのと、とてもべたべたしているため)、皮をむきます。
表面の皮だけでなく、皮のすぐ下の層も2~3mm剥いてしまうと、色の綺麗な干し芋になります。ここで剥いた部分は十分食べられるので、貯めて冷凍しておき、後日ピュレ状に裏ごししてサツマイモプリンやスイートポテトにしています。

5)剥いたお芋を適当な厚さにスライスします。切ってみて白っぽいものはまた蒸し器で蒸し直せば大丈夫。
スライスする厚さは2cm以上に。切り方は繊維に平行、または斜め切りもおすすめです。斜め切りだと食感がよりやわらかい気がします。
直径3~4cm程度の小さいお芋は丸ごとがよいです。

6)梅干しを干すザルなどに干します。干し始めは毎日ひっくり返す方がよいです。
少し乾いてくるとザルにくっつき易くなります。オーブンペーパーをザルの上に敷き、その上にお芋を載せるとくっつかず便利ですが、多少くっついても、丁寧に剥がせば大丈夫。
母は夜室内にとりこんでいますが、私は出しっぱなしです。
ただし、夜のうちはともかく、明け方の朝靄で、お芋に結露しているようです(2009年の年末に気づきました)。
夜中出しっぱなしだと、お芋の表面がが湿気てしまうためザルにくっつく度合いが大きいようです。
夜は室内に取り込んだ方が、朝もやで湿気が戻ることがなく、結果的に早く干しあがるかもしれません。

7)干している間はヒヨドリやメジロなどに気を付けて!

8)表面が固くなってきたら、一旦缶やビニールにしまって一日おくと、中心の湿気が平均化されてまた表面がべたついた感じになります。そうしたらまた干します。
どんどんつまみ食いして好みの段階で干すのをやめるとよいと思います。
あまり生っぽい場合はすぐに冷凍した方がよいです。
手で持ってべたつかない程度に干しあがったものをジップロックに入れて冷蔵庫に保管しておくと、場合によってはそのうち白い粉がついてきます(2~3週間かかるかな)。


こんな感じで干しています。




2007/1/11 つやつやの干し芋


食べるときはオーブントースターでヘリがちょっと焦げる程度にあぶると、とてもやわらかでおいしいです。かなり縮んでいるものなので、食べ過ぎにはご注意。
おなかが張って苦しくなります。(経験何度もあり)


右はほくほくのおいもを干したもの。干し芋としてはいまひとつ。
やはりしっとりした左の方がおいしいです。

コメント (10)
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