中国によるチベット支配の構造
チベットでは、西暦2000年を前後して銅、亜鉛・鉛、鉄鉱石の鉱山・鉱床が多数発見され始め、現在、中国政府が公表しているだけで、チベットのみでの年産が銅200万トン、亜鉛・鉛が1000万トンを超えている。
また、さらに最近、わずか1ヵ所の銅鉱山で年産789万トン採掘可能な鉱山が発見されている。これは世界最大規模である。
中国政府は、こうした資源を運搬するために青海ーチベット間の1145キロに渡る青蔵鉄道を建設し、一昨年、完成させている。
しかし、この資源開発からはチベット人が排除され、漢民族だけが資源を独占し、その利益は漢民族だけが独占している。鉱山開発による環境破壊も進んでいる。
そして漢民族だけが鉱山開発の利益を得るために、続々と漢民族のチベット移住が行われ、漢民族がチベットで多数派を形成しつつある。チベットの中心都市ラサでは、既にチベット人15万人に対し、流入した漢民族が20万人となっている。
こうした漢民族の大量流入で、チベットの独自文化・生活習慣が漢民族化され、事実上のチベット文化の安楽死、チベットの「亡国」化政策が行われ、また資源略奪が続いている。
資源を豊かに持つチベットの鉱山・鉱床の面積は、現在確認されているだけでも、総計で米国のカリフォルニア州、テキサス州、モンタナ州の3つを合計した広さになり、その無尽蔵な鉱床から、今後、どのような金属がどれ程見つかるか予測不可能であり、近い将来チベットが世界有数の資源大国になる事は間違いない。
チベットを中国が軍事力で制圧し、植民地支配する理由はここにある。