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Re:SALOON & VBA

しばらくは、過去BBSの倉庫、および
作成した EXCEL VBA の置き場(公開)として

朝顔

2006年02月07日 20時49分30秒 | 詩(塚原将)
とじこめられた夜が ゆるんでゆくねじの隙間から 地面にこぼれおちると ゆるやかな最後の回転をすませた 花のなかに 光がすいこまれていって それが 朝顔のとても短い青春 塚原将『閉ざされた愛』より . . . Read more

海をみつめる少女

2006年02月06日 07時05分14秒 | 詩(塚原将)
堤防にひとり坐って 海に目を投げている少女がいる 本当の心は解るはずはないのに わたしは遠い日の自分に結びつけて 青くおだやかな海にむかいながら 少女はきっと 心に冬の海の拡がる 淋しい少女だときめこんでしまっている 塚原将『閉ざされた愛』より . . . Read more

別れ際のくせ

2006年02月05日 01時55分01秒 | 詩(塚原将)
短い時間のなかに 精いっぱい愛を投げ込んだとしても わたしにみえるのは くずれかけた土塀に寄りかかるように 咲く小さな花だけだ 雨の空さえまぶしいほど 哀しみを抱いて俯くひとの目に 映るだけの あなたが別れ際にいつも 小さく頭をふるくせが そんな花を わたしの心にふやしてゆく 塚原将『閉ざされた愛』より . . . Read more

心の帆

2006年02月04日 12時04分18秒 | 詩(塚原将)
目をそらせて外をみつめていたのは あなたが嫌なせいではありません あなたの想いが わたしには強すぎるからなのです あなたの想いを心の帆いっぱいに受けて 思いきり走りつづけ 空に遊ぶ一片の雲のように いつの間にかあなたの視線を ゆっくりとたどってみたいのに あなたはわたしにとって幼すぎるし わたしの心は廃船のように 年月の永さのなかに 半分埋もれてしまっていて あなたの想いだけを受けて走りつづけ . . . Read more

ふとあなたが

2006年02月03日 22時45分45秒 | 詩(塚原将)
ふとあなたが いなくなってしまうような気がする 重くなりすぎたわたしの想いを せめてわたしの好きな 白い貝殻をちりばめた 波荒い海辺に埋めて さっぱりと 走っていってしまうような気がする サヨナラを言う あなたの顔が明るすぎて 塚原将『閉ざされた愛』より . . . Read more

意地悪

2006年01月28日 08時25分33秒 | 詩(塚原将)
窓際の席に あなたは黄昏の街に目を投げている ざわめいているコーヒーショップの そこだけが とてもひっそりとしている わたしは通りのこちら側から そんなあなたを眺めている 約束の時間を過ぎて あなたの頬に 夕陽をなくした空が宿ったとき わたしは美しいと思いながら 少し痛みのある心を抱いて まっすぐに扉に向かって足をふみ出した 塚原将『閉ざされた愛』より . . . Read more

昨日

2006年01月26日 22時51分22秒 | 詩(塚原将)
子供たちが 池に小石を投げて ひろがってゆく水の輪の大きさを競っている 水の輪をおこした小石は もう無関係にひっそりと池の底にある そんなふうになりたいのに わたしはまだ 昨日あなたに告げた言葉が あなたの心に拡がってゆく様子を 考えながら 落ち着かない一日を過ごしている 塚原将『閉ざされた愛』より . . . Read more