化学系エンジニアの独り言

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世界のエネルギー消費

2005-09-22 | エネルギー
北米Gulf地域にカトリーナに続き、リタが来襲とのこと。
これはもはや人類の自然破壊活動に対する天の報復である、などというつもりは毛頭ありませんが、やはりどこかおかしいのでは、と考えてしまいます。

さて、Gulf地域は原油・天然ガス生産基地や石油精製・石油化学工場が集まっていることから、原油価格のさらなる高騰を呼ぶ、市中ガソリン価格がさらに上昇してインフレ圧力となる等の観測がなされています。それもさもありなん。

そんなニュースを聞きながら、アメリカは一体どれくらいエネルギーを消費しているのか気になったので、他の国と比較してみました。

国名   日本  ドイツ  アメリカ   中国
GDP    4.87  3.00   11.73   1.64 (兆ドル)
人口   12,768  8,260   28,142   129,988 (万人)
GDP   3.81   3.63   4.20   0.13 (万ドル/一人)
経常収支   1,762  1,141  ▲6,659   686 (億ドル)
エネルギー消費   593   391   2,703   1,386 (*原油換算・百万kL)
うち電力消費  119   59   292   46(原油換算・百万kL)
エネルギー消費  4.64  4.73   9.60   1.07(原油換算・kL/一人)
エネルギー消費  1.22   1.30 2.29 8.23(原油換算-kL/万ドル)

*原油比重=0.85で換算している。

アメリカは一人あたりGDP4.2万ドルであり、一人あたりのエネルギー消費は日本の2倍強、電力消費は2.5倍になっている。燃費の悪い車を一人一台乗り回し、広い住宅に住み(うらやましいですが)、電力を食う家電製品で家が埋まっているという姿が想像できます。10年前でも洗濯乾燥機、食器洗い機があるのは当たり前の国ですから。
(もっとも彼らの家は広いですから、家中が家電製品で埋まっているという表現は当たらないかも)
総消費量では日本の4.5倍です。確かに多い。せめて日本・ドイツくらいには省エネ進めてくださいといいたいですね。
もちろん侮れないのは中国で、一人あたりでは日本人の1/4程度の消費量ですが、人口は10倍ですから総量では2.3倍も消費しています。アメリカのおよそ半分ですが、これは今後急激に増え続けるでしょう。
今でも毎年、夏場には電力不足で停電が頻発しています。
一人あたりのGDPが日本の1/30ですから、今の30倍になるという計算も出来ます。少なくみても、一人あたりの消費量が今の日本と同等となると仮定すると、総量では現在のアメリカの2倍以上です。
そうならないことを祈るばかりです。