すっかり雪に覆われた千年の森。
今は、春に思いをはせながら秋に収穫した花の種を掃除しています。
種掃除は大切なガーデナーの仕事です。
種は虫に食べられてしまわないように殻や果梗を取り除き、種だけを取り出します。
虫がついていないように見えても、卵の状態で存在し保管中に食べられてしまうので、
出来るだけ綺麗に掃除し、冷暗所(冷蔵庫)に保管します。
今掃除しているのは、Phacelia tanacetifolia (ファセリア) です。
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ファセリアは‘ムラサキ科’で、ボリジやコンフリーと同じ科です。
あまり聞きなれない花ですが、最近は緑肥として日本でも使われるようになった可愛い花です。
千年の森でも、ライ麦やクリムソンクローバーと混ぜて使ったり、他の緑肥と混ぜて混植しました。
ファセリアにはちょっと毛が生えています。(写真 右上)
ザラザラ チクチクした感触で、枯れるとサクサクして、土に鋤き込むと有機性と通気性がよくなります。
ムラサキ色の可愛らしい花(写真 左上)には、ミツバチなど花の受粉を助ける益虫が集まり
作物の近くに植えると収穫も増えると言われています。
フランスでは養蜂用と土壌改良のために栽培されているようです。
ファセリアを休んでいる畑に植えると、雑草が蔓延するのを押さえるだけでなく
土の栄養が流出するのを抑えます。
さて掃除方法ですが、Phacelia はカラカラに乾いた状態のものを手で揉み解すと
パラパラと簡単にほぐれます。種がとても小さく、殻などのゴミと一緒になってしまうので、ざるやドライヤーの冷風(温風を使うと種に熱が当ってよくありません)を使ったりして殻やゴミを飛ばし、出来るかぎり種だけにします。
作業の際には細かいゴミを吸い込まないよう、マスクの着用をおすすめします。
種の形や特徴をしっかりと見て、他の種や虫の卵と一緒にならないように保管しましょう。
T.H