いったりきたり

いつも通りの日をまじめに過ごしながらにっこりしたりきゅんと身にしみたり

万葉会館

2006-09-09 | Weblog
奈良県橿原市、飛鳥時代大規模な都として、694年に藤原京がつくられた街。
畝傍山・耳成山・天香久山の大和三山は古代人の信仰にされ万葉集に詠まれた。
深い緑の静寂な山々の中に、その緑と空、人の運命と時代の交代劇を思い描きしばらく見入ったままで動けなくなった。

いつの時代が好きか?と聞かれれば迷わず飛鳥時代と答える。好きというか、憧れ恋慕うような感覚だから。
645年大化の改新から天武天皇即位までの28年間。
中学生のとき始めて憧れを抱いたのが大海人皇子。全くの空想の世界で描ききってしまった感もあるけど。
かつての恋人額田王との「あかねさす紫の行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」
「紫のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも」は有名。
宴の席での戯れの歌とされているけど、私にとっての解釈は相聞歌のままで。

「歌う」は「訴う」に通じるという説がある。
やむにやまれぬ思いを伝えずにはにはおられない
―歌にはそうした素朴な、特別な者同士の共感が横たわっているものだからだ。
大事なことは軽く伝える。ちょっとした言葉が思いもかけない形で人の心に触れることがある。他の人には取るに足りない言葉、でもある特定の人にはわかる。芯にあるものを伝えられたらいい。