火車

便利なクレジットが暮らしに入り込んだとき…
突然失踪した関根彰子。
カード社会の犠牲者ともいえる自己破産に隠された人生。
他人の戸籍をのっとって自分を切り捨て這い上がろうとする…
そうするしか術がない女性だ。

物語の中で
「彼らが知っている彼女は、慎重にそして一生懸命に彼女がつくりあげたものだ。生のままの彰子ではない。」
という件がある。
これは“彰子”だけか…

誰だって無理やりあるやり方で生きている。
オリジナルな生き方なんてできるわけがないのかもしれない。
流れていく一文字一文字が頭を殴ってくるよう。

阿波踊り

始め阿波踊りを観にいった。
出かける前は「踊らにゃ～ソンソン♪」と思っていたけど、現地についてしまうと気が負されてただの観客だった。

市内の中心の路地は隙間なく踊り手に埋め尽くされ、踊る人見物する人でどこでも熱気に満ちている。
踊り手の気概が気持ちいい。みんな真剣そのものだし硬派だから。
にわかな県外の大学生が一部調子に乗ってただけ。
地元の人は酒に酔っ払って悪態の人なんか一人もみなかったな。
それがすごいなーと思った。阿波踊りは徳島のプライドだ。