『谷川俊太郎』
いくつかの詩の中で、色に関してとても粋にいい当ててます。
それが素晴らしくかっこいい。
白 雪の白、霜の白、波の白、雲の白、本当の白は何か。
黒 それは一個のピリオド。黒それは色でなく、ひとつの在りかた。
赤 赤は闇から立ち上がる。
青 どんなに深く憧れ求めても、青を手にすることはできない。
すくえば海は塩水に変わり、近づけば空はどこまでも透き通る。
黄 切り裂いて閃くもの、目はそこに吸い寄せられそして拒まれる。
緑 この星に緑が誕生したとき私たちは生まれていなかった。
緑から目を離すな。
茶 あるいは黄にあるいは赤に、茶はその諧調のうちにへりくだる。
茶はさりげなく世界をカモフラージュする。