真夏のような秋が続いています。淋しい秋になってしまわないように、天が配慮してくれているのかも知れません…
昨日今日と、皆様へ秋のスケジュールをメールではなく葉書にて郵送させて頂きました。私や私のグループへ、あまりにも多くの愛と支援を注いで下さった2人の女性が相次いで亡くなり、その通夜ご葬儀が先週連続して行われましたので、哀悼の意を込め遺影を載せて、ご報告と感謝としたかったからです。そして、2人の思いを受け継ぎ、予定していたライブは予定通り行います、とも書き添えました。さあ、ブログでもご報告しなければ、けじめがつきません。何とか綴ってみます…

◆望月千里さん 9月7日61歳で永眠 9月11、12日 メモリアルセレス千代田21にて通夜告別式
昨年秋胃癌が見つかり、暮れに全摘出手術、今年の初夏までは各種の治療を受けながら会社にも出勤、私たちのライブにも見えていましたが、8月に入って体力が衰え半ば頃再入院、首のリンパへの転移が致命傷となり、遂に帰らぬ人となりました。
20数年前、私が出演していた神楽坂のシャンソニエによく見えて下さり、そのうち、ギターでボサノバをやっている面白い人がいるから、一緒に組んでみない?としきりに誘われ、会ってみたのが佐藤ふじをでした。その頃、銀座の店で伊勢沢ゆきにも出会い、2人ともボーカルもやるので、私の念願であったコーラスのできるシャンソントリオとして結成。3名のKISの頭文字を取ってフレンチキスと名づけたのも千里ちゃんでした。 スタートした頃はシャンソンらしくないとか3人バラバラ、と批判も多く、彼女も一緒に何度も合宿までして頑張りました。色んな企画を持ち込んでくれたり、大きなコンサートや旅の仕事の時は大抵マネージャーのように付き添って世話を焼いてくれました。CDを3枚も出して14年も続いているのも、彼女の変わらぬ後押しがあったからこそです!彼女のためにも、来年JFK15周年ライブを頑張って開きたいと思っています。千里ちゃん、天から応援してね!合掌。

◆北桂子さん(本名・中原八代子さん) 9月6日75歳で永眠 9月14、15日前進座にて通夜告別式
ご承知の通り、昨年2月脳に腫瘍が見つかり大元は肺癌との診断。余命1年と宣告されながらも、奇しくもちょうど1年前の9/15にラストコンサート、その後も入退院を繰り返しつつ生徒さんに教えたり、車椅子ながらステージに上ったり。動けなくなって病院生活オンリーとなってもこの夏の初めまではかなりお元気でしたが、8月半ば頃から意識が混濁し始め、遂に人生の幕を下ろされました。
ママさんコーラスのソロがきっかけでシャンソン界に入った私は、中野にあったシャンソニエで歌い始め、今も長いご縁が続くピアニスト・後藤高之さんに「吉祥寺にあんたのことを気に入りそうなママがいるよ」と教えられ、遊びに行ってその通りいっぺんで気に入られて、25年にわたる長いお付き合いとなったのが、北桂子ママです。 若い時は女優さん、その後タレント、リボンフラワーの先生、そしてシャンソン歌手と華やかな道を歩む、あまりにも美しい人でした。しかし、その人生は波乱万丈、若くしてご主人を事故で亡くし、シャンソニエ・レッドを開店するまでの大変な苦労、その後2度お店を移転せねばならない厳しい事情もありました。それでも、いつも彼女は「順子々々」と可愛がってくれて、誰もが「Junkoさんが一番好きだったのよ」と言いますが、私自身も確かにそう自負しています。 彼女はシャンソン関連のレコード、CD、DVD等資料の大収集家でしたが、そこからいつも素敵な曲を発掘、私に日本語の詩を作らせるのをライフワークのようにしていました。私が詩を作り上げ更に譜面を起こして持って行くので、すぐ歌うことができるのをいつも目を丸くして感激してくれましたが、恐らく彼女は日常どんなに嫌なことがあっても、私とそういうクリエイティブな時間を過ごすことが大きな喜びだったに違いありません。そして私にとっても日本クラウンからCDが出て作詞家としてもメジャーデビューできたのは、全く彼女のおかげと感謝しています。 ママ亡き後のレッドは、ママが懸命に育てた若きピアニスト・藤木えりちゃんがママの生徒さんごと引き受け、跡を継いで頑張ることになりました。私にできることは何か?と考えた挙句、生徒さんや歌いたいお客様に混じって、私も新たな詩をつけたシャンソンやオリジナルのレッスンをすることで、えりちゃんに喝!(自分にも)を入れることに決めました。プロ精神で切磋琢磨しあうことが何よりお互いの向上になると思います。ママ、見て聞いていてね!合掌。
あまりに近しい2人が次々いなくなって、私の精神と体調を皆さん心配して下さっていますが、やっと(このトシで?)1人立ちしなさい!ということかも知れません。そして、美しかった彼女たちは天女のようにいつもどこかで見守ってくれているに違いないと確信しています。皆様も今後の私とフレンチキス、ルナソレイユ、そして藤木えりのレッドをどうぞ見守って下さいませ。最後に、メールで、各会場で、私に温かい言葉をかけてくださった方々に心より御礼申し上げますm( _ _ )m