歩かない旅人

 彼がなした馬鹿げたこと・・・彼がなさなかった馬鹿げたことが・・・人間の後悔を半分づつ引き受ける。ヴァレリー

間違ったボタンを押し続ける愚

2017-10-04 11:39:57 | 雑誌『Hanada』を読んで

 

  

 

   今日はちょっと中休みで、月刊雑誌から記事を書き写しました。北朝鮮の脅威というか恫喝に関して日本のメディアは鈍感なのか、北朝鮮を刺激しないような配慮なのか、あまり問題として取り上げていません。返ってイギリス辺りで話題になって居ると聞きます。

   

  今回の選挙は北朝鮮抜きには考えられない選挙で『国難突破選挙』と言われているのは、何よりも北朝鮮、チャイナなどによる日本への影響力を考えての選挙です。民進党の内輪もめなど、ただ興味本位に報道して視聴率を稼いでいる場合ではありません。ですがそれはさておき。・・・

   自らが代表を務める「希望の党」を設立し、記者会見する東京都の小池百合子知事=9月27日、東京都内のホテル

  今回の北朝鮮関係のニュースの中で一番新鮮に感じられた記事です。北朝鮮もロシアも日本を欲しがっていることには変わりはありませんが、ロシアが日本を欲しがっていることは、大昔の江戸時代からですから年季が入っています。

    

  日本とロシアの歴史はあくまでもロシアの方想いでの歴史かも知れません。朝鮮半島まで半分占領しかかったのですが、日本軍に追い出され、日露戦争に負けてからは満州からも追い出され、国自体も革命勢力に倒され、皇帝以下その関係者は粛清されてしまいました。

  

 

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  月刊雑誌『Hanada』平成29年11月号の記事から

   

 FRONT PAGEより  

      永田町コンフィデンシャル

 間違ったボタンを押し続ける愚

   

         九段 靖之介

 

  「日本列島の四つの島を、われわれの核爆弾で海中に沈めてやる」国連安保理の新たな制裁決議を受けて、北朝鮮はこう言い放った。その二日後の九月十五日早朝、北はまたもや北海道上空を超えて弾道ミサイルをブッ放す。

  安倍首相は「緊急安保理を呼びかける。国際関係と連携を密にして、北朝鮮の政策を変えさせなければならない」と述べた。

  これまでのように「中国やロシアと連携を密にして北朝鮮に圧力をかけ続ける」とは言わない。先の安保理の制裁強化決議に中露は一応の賛成はした。

  ところがアメリカが要求した石油の全面禁輸、北朝鮮労働者の出稼ぎ削減(外貨獲得)など一段と厳しい制裁案は中露の反対で骨抜きになった。石油は年間二百万バレルを上限とし、出稼ぎ労働者の数は増やさない・・・

  これでは現状維持で、意図する兵糧攻めの中途半端だ。これを念頭に置いて、安倍はコメントから中露を外したと思える。

  トランプは「北朝鮮の核ミサイル問題のカギは中国が握っている」として、盛んに中国の尻を叩いて北への圧力強化を迫っていた。北朝鮮の貿易額の九十%は対中貿易だ。これを締め上げれば北は値を上げるはず。ところが一向に効果がない。

   

  それどころか問題の対朝輸出額は昨年比で五四%も増えている。習近平の面従腹背の業を煮やしたトランプは、中国の大手国有銀行二つを金融封鎖、ドル・システムから締め出し、

  ムニューチン財務長官は「北朝鮮と貿易する国は、いかなる国と言えども、アメリカは貿易を断つ」と暗に中国を名指しで脅かした。

   

  いかに脅かされようが、中国には北朝鮮の非核化を強制する気もなければ、その能力もない。中国は永きにわたって北朝鮮への影響力があるかの如く見せかけ、それをカードにアメリカを釣りあげてきた。

  それがまったくのブラフ(ハッタリ)だった。つまりアメリカは間違ったボタンを押し続けてきた。そもそも北朝鮮という国は旧ソ連が作った国だ。

  スターリンは金日成を送り込み、抗日戦を戦わせた。日本が朝鮮半島から引き揚げた三年後の一九四八年九月、金日成は独立・建国宣言をした。その二年後、スターリンは金日成の背中を押して韓国に攻め込み、朝鮮戦争勃発(五○年六月)となる。

  ちなみに、その前年の一九四九年にスターリンは原爆を手中にしている。アメリカは国連軍を編制して反撃に出る。スターリンは国連の安保理決議で、これに反対の拒否権を行使できたはずだが、なぜか外相グロムイコに命じて欠席させた。その「なぜか」が後に明らかになる。

     

  国連軍とはいえ、主体はアメリカ軍だ。これが三八度線を突破したところで毛沢東の中共軍が突如として参戦した。この参戦はスターリンの要請、いや命令による。当時、共産主義の総本山はクレムリンである。

   

  おまけにソ連は核兵器を保有している。そのスターリンに毛沢東は逆らえない。一進一退の攻防が続く事二年余。この戦争で毛沢東は息子の毛岸英を失い、中国人百万人を死なせた。韓国人百三十万人、北朝鮮人五十万人アメリカ兵五万四千人が犠牲になった。

   

  朝鮮戦争はマゴウ方なくスターリンの戦争だが、自らは圏外に身を置き、アメリカと中国を戦わせた。それが「なぜか」の答えだ。スターリンの死(五三年三月)から四か月後、戦火はやんだ。

  この戦争で中国は北朝鮮を助けた、ために中国と北朝鮮は「血の同盟」で結びついている、と多くの論者は見てきた。ところが内実は違う。金日成にすれば、毛沢東は遅れてきた新参者だ。スターリンの宮廷において、自分の方が上位にある、兄貴分だと思っている。

  それが息子の金正日や孫の金正恩にも伝わる認識だ。習近平如きの言うがままになるはずもない。

    

  金正恩は中国との唯一のパイプだった叔父の張成沢を惨殺した。中国に取り込まれた腹違いの兄。金正男を張成沢が支援していると知ったからだ。その金正男も刺客を送って暗殺した。

  

  いまや中国と結ぶパイプは何一つない。まして中国が制裁決議に与したいまとなっては「図体ばかり大きくても何の価値もない国だ」などと中国に毒づく。

  一方、プーチンは北への石油を倍増するといい、建国記念日に向けて祝電を送ってくれる。すでにウラジオストクと北の港に航路を開き、例の万景峰号が往来している。

   

  いまやキーパーソンはプーチンだ。こちらのほうがよほど影響力を持つ。繰り返すが、北朝鮮を作ったのはロシア(旧ソ連)だ。安倍首相は日米露首脳会談をセットしてみてはどうか。

 

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   日本の中は衆院選の、しかも小池劇場一色にしようとしていましたが、民進党のはみだし組が、新しい党を立ち上げ、話題を逸らしたり、昨日は希望の党が候補者を発表しましたが、あまり爆発的な話題にもならず、何よりも「連合」が各自自由に応援するという方針を出したことによって、希望の党への期待はしぼんでいっています。

  今日もテレビは、希望の党の立てた候補者についての話題と、枝野氏の新党との対立を面白おかしく解説しています。そんな中着々と国際社会は動いています。安倍首相の外交は好きでやっているのではありません。まさに命を懸けての外交です。たまたまロシアのプーチンは安倍首相の事を人間的に好いていると言います。

   

  国の為、命を貼って働く人間の持つオーラを感じたのでしょう。今安倍首相に代わって誰がいます。メディアは何処かの国の願望の為に、一生懸命フェイクニュースを垂れ流し、安倍叩きは社是だと嘯きます。こんな新聞がまだ日本ではデカい面をしているのです

 

 


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