歩かない旅人

 彼がなした馬鹿げたこと・・・彼がなさなかった馬鹿げたことが・・・人間の後悔を半分づつ引き受ける。ヴァレリー

周回遅れの憲法議論

2016-01-28 11:17:23 | 産経新聞の記事から抜粋

 

  

 

 参院選挙の自民党の安倍首相が、憲法改正を政策の公表に踏み切りました。今までの国民世論を気にして、思っていても言い出せなかった、憲法改正を真っ向から正面に掲げるということは、初めてまともな宰相が現れたという感じです。

  

 自民党の中にさえ、反対論者がいるというまだ国民はお花畑でぬくぬくとすることに慣れてしまい、危機感を全く感じない、未成熟な国際感覚の中で、安倍首相は持論を、ここではっきりと力強く示すべきです。

  

 今日の産経新聞で、安倍首相を少なくとも支持していることを堂々と主張している、阿比留瑠比氏が、氏の受け持つコラムの中でそこを取り上げています。

 以下その全文をここに書き写します。

 

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【阿比留瑠比の極言御免】 2016・1・28

   

岡田氏の憲法議論は周回遅れ 米国の意向次第だった憲法

 

 「立憲主義を理解しない安倍晋三首相の下で憲法改正を議論すると、憲法そのものの破壊になる」「首相はまず改正ありきだ。70年間、国民が憲法を育んできた事実をどう考えるのか」「安倍首相のもとでの憲法改正は極めて危険だ」…。

 民主党の岡田克也代表は憲法改正問題をめぐり、ずっとこんな風に述べ、安倍政権下では議論にも応じない考えを表明している。

   

 岡田氏は「連合国軍総司令部(GHQ)の素人がたった8日間で作り上げた代物だというところから、憲法改正が出ているから非常に問題だ」とも指摘するが、周回遅れの議論を聞くようでピンとこない。

 GHQご都合主義

 岡田氏が現行憲法を後生大事に保持し、国民が戦後、憲法の精神とともに歩んできたかのように言いたいのだろうとは推察できるが、それは事実だろうか。

 例えば、GHQのマッカーサー最高司令官は占領下の昭和26年元日、日本国民に与える年頭のメッセージでこう強調している。

   

 「日本の憲法は国政の手段としての戦争を放棄している。(中略)しかしながら、仮に国際社会の無法状態が、平和を脅かし人々の生命に支配を及ぼそうとしつづけるならば、

この理想があまりにも当然な自己保存の法則に道を譲らなければならぬことはいうまでもない」(江藤淳氏著『一九四六年憲法-その拘束』)

   

 マッカーサーはその前年6月に勃発した朝鮮戦争に伴う戦略的空白を埋めるため、国会審議による法律に依拠せずGHQ命令を実行させるポツダム政令を発して、日本政府に警察予備隊を発足させた。予備隊は27年に保安隊となり、現在の自衛隊の前身となった軍事組織だ。

   

 自身が21年2月に、現行憲法の草案作成を担当したGHQ民政局に命じた守るべき3原則(マッカーサーノート)の中で、次のように明示していたにもかかわらずである。

 「日本は、紛争解決の手段としての戦争のみならず、自国の安全を維持する手段としての戦争をも放棄する。日本は、その防衛と保全とを、今や世界を動かしつつある崇高な理想に委ねる」

  「非武装化は誤り」

 つまり、米国の意向で戦争放棄条項を押し付けてみたものの、国際情勢が変化してその「理想」が邪魔になってきたので、「自己保存」に励みなさいというご都合主義の堂々たる表明である。

 憲法の生みの親である米国にとっても、憲法の精神など所詮その程度のものだったというわけだ。

 江藤氏によると、28年12月に来日したニクソン米副大統領(当時)も日米協会での演説で、憲法による日本の非武装化は誤りだったとこう公式に述べた。

   

 「私は合衆国が1946年に誤りをおかしたことを認めます」(同書)

  自民党の稲田朋美政調会長が「29年に自衛隊が創設され、(憲法が現状と)全く合わなくなっている。憲法の中で一番空洞化しているのは9条2項だ」と指摘している通りだ。

   

憲法の精神は米国の意向に振り回され、とっくに踏みにじられているのではないか。

 岡田氏が言うように国民が憲法を育んだというより、戦後ずっと憲法は米国製のまま、国民は全く手に触れることすらできなかったというのが実態だろう。

 「改正されれば(国民)自らの手で新たな憲法をつくる初めての機会となる」

 安倍首相は21日の参院決算委員会で強調した。岡田氏の後ろ向きな発言より、はるかにわくわくする。

(論説委員兼政治部編集委員)

 

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 次期参院選でどこまで惨敗するか心配されている、民主党の歯車の狂ったような、センスのないコメントは、ますます民主党の足を引っ張っているように思います。

 岡田代表は政治音痴で民主党の主要な応援団の意向が見えていないからだそうですが、民主党も中身はバラバラです。憲法改正と言う、今まで夢のような、到底出来っこない仕組みを、安倍首相はもしできたら日本の歴史は大きく変わるでしょう。

 とにかく野党の中でも、いっぺん政権を握った民主党は反対を唱えるたびに、それがブーメランのように自分たちの上に降りかかってきています。とくにもう民社党の中に、党首になる人材そのものが枯渇しているように見えます。

 アメリカは絶対日本を、立ち上がれないような憲法を押し付けていますが、軍隊の問題でも、日本はとっくに世界有数の軍隊を保持しており、有名無実な空憲法です。

   

 しっかりと、定文化して、九条のような交戦権まで奪うような、屈辱的な占領憲法から脱しなければなりません。何も戦争するためではなく、相手にその気にさせない、日本の防波堤のようなものです。

 要するに抑止力と言うものです。誰だって好き好んで戦争したいと思っている国民などいないはずです。一部の冒険主義者の野心が戦争を生みます。それを防ぐのが憲法改正から、第一歩が始まると思います。


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