歩かない旅人

 彼がなした馬鹿げたこと・・・彼がなさなかった馬鹿げたことが・・・人間の後悔を半分づつ引き受ける。ヴァレリー

9月9日、北朝鮮は何かアクションを起こせるか

2017-09-09 12:34:22 | 雑誌『Hanada』を読んで

 

    

  

  月刊雑誌『Hanada』10月号を受け取ったのは8月24日、それから逆算しても、少なくともこのコラムが書かれたのは8月20日より前と察しますが、事情は刻々と予想もつかない位変わります。

     

  北朝鮮放送や新聞を訳すのは、朝鮮語に堪能な人が訳すのでしょうが、ヤンキーを「アメリカ野郎」と訳したのには笑ってしまいました。そこにどんな意図が隠されているのでしょう。一種の印象操作です。

  ここに書かれてあるように「哀れで愚かなアメリカ野郎の出方を見守る」などと言っていたはずですが、待ちきれずに8月29日には北海道を超えて襟裳岬先に、ミサイルを撃ち込み。9月4日には水爆と称する6回目に実験までしてしまいました。

   

  どうもこうした経緯を見るにつけ、北の若親分は。アメリカの恫喝に屈していないようです。しかも日本の分析もどんどん悲観的な、方向に向かっています。しかもまるで北朝鮮の工作人みたいなのが、バレてしまうのも恐れず表面に出てきていることです。

  今日は9月9日北朝鮮がソ連によってアメリカに対抗して作り上げた、ソ連衛星国として出発した記念日だそうです。それを記念してまたミサイルを日本に向けと飛ばすのではないかと話題になっています。それだけの度胸があればの話ですが。

 

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  月刊雑誌『Hanada』平成29年10月号より

 FRONT PAGE 欄から

 永田町コンフィデンシャル

    

         九段 靖の介

 「マッドマン作戦」の後にくるもの

  トランプと金正恩が恫喝と悪罵の応酬を続けている。

  「北朝鮮はアメリカを脅すのを止めろ。さもなければ見たこともないような炎と怒りを見ることになるぞ」

  トランプがまくし立てれば、金は言い返す。「こちらはグアム島(の米軍基地)周辺をミサイル攻撃する作戦を検討中だ」

    

  「北のあの野郎はテメエの生き様を飾りたいのか。愚かな選択をするな。こちらは戦闘準備を完了しているぞ」

  「哀れでおバカなヤンキーの出方をしばらく見守る」

  マッドマン(狂人)作戦という言葉がある。何をやらかすかわからないと思わせて、相手の譲歩を引き出す作戦をいう。此のマッドマン作戦をやったのが、ベトナム戦争におけるニクソン大統領だ。

  ニクソンは核兵器の使用をちらつかせて脅かした。ところが北ベトナムのホー・チ・ミンは怯まない。ためにニクソンは毛沢東に仲介を依頼し、莫大な支援を中国に約束して停戦協定に漕ぎ付ける。

     

  目下のところトランプも金正恩も、互いにマッドマン作戦をやっている。一方でトランプは習近平に何度も金正恩への圧力を依頼した。代価は米中貿易交渉で高関税を吹っ掛けない。為替操作を不問にするなどで、何やらニクソンの焦燥に似ている。

   

  かつて朝鮮戦争は韓国人百三十万、中国人百万、米兵五万四千の犠牲者を出した。戦争を終わらせたのは次期大統領アイゼンハワーだ。彼は中国と北朝鮮に「核のしようも辞さない」と覚悟のほどを伝えた。

   

  当時、中国は核を保有していない。中国のバックにいたソ連も核実験に成功させたばかり(1949年)で、核戦争の準備が整っていない。ために停戦に応じた。

  1994年、北の核実験を知った大統領クリントンは、核の使用を含めて軍事力行使を準備した。ところが側近らに「犠牲者は百万、費用は一兆ドル」と諭され断念した。

    

  一説には時の韓国大統領・金泳三が軍事力行使しないでほしいと哀願した為で、のちに金はこの判断を後悔したという。

    

  いまや中国も当の北朝鮮も核を保有する。核戦争となれば、前述の数字を上回る犠牲者は必至だ。日本も被害は免れない。現に金正恩の作戦地図にグアムに加えて韓国や日本もターゲットだ。

  「しばらく発射命令を手控える」とする金正恩の発言で小康状態だが、次なるフェーズ(段階)はどうなるか。

  問題は習近平とプーチンの出方だ。8月5日の国連安保理で中露は北朝鮮制裁決議に珍しく賛成した。とはいえトランプが臨んだ北朝鮮への原油輸出の禁止に中国は応じない。

  この裏情報は中露連携の勝利と目される。だからトランプは言った。「中国には失望した。北朝鮮に向けて何もしてくれない」

  北のSLBM(潜水艦発射ミサイル)の技術は中国からの技術移転とされる。米本土に到達するICBM(大陸間弾道ミサイル)のエンジンを提供したのはウクライナだ、いやロシアだと両者の間でモメている。

    

  習近平もプーチンも、ユーラシア大陸の一角、朝鮮半島からアメリカに出て行ってほしい。金正恩は核の威力をバックに韓国国民をねじ伏せて米軍撤退を実現させ、半島統一の「高麗連邦」を夢見る、親ぼく政権・ムンジェインの登場は絶好のチャンスだ。

  中露は先の制裁決議に北朝鮮との対話を条件に付けた。

    

  対してトランプは「対話をするには、北が非核化を約束するのが先だ。そうでなければ応じない」

  しかし金正恩は核ミサイルの放棄に応じない。かつて湾岸戦争のおり、祖父・金日成が映像を見ながら息子。金正日にいった。「よく見ておけ。サダム・フセインが攻められるのは、核を持っていないからだぞ」

      

  以来、核ミサイルの保有は建国の父が残した遺訓とされている。今やアメリカの世論の八割が北朝鮮を脅威と感じている。軍事力行使しか選択肢はないとする議論が高まっている。

  トランプは言う。「戦争になれば、向こう(OVER THERE)で起こる(米本土に及ばない)」

  小欄の知人が、アメリカで弁護士を務める友人からのメールを転送してくれた。その友人は米議会に出入りしてロビイストをやっている。そのメールにはこうある。

  「トランプが気にするのは米本土の安全だけ。彼は今後の交渉で、場合によっては在韓米軍の撤退を覚悟している」となれば、核保有する「高麗連邦」が隣国に誕生する。それに日本はどう備える?

 

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  九段氏の言う「高麗連邦」は朝鮮民族の夢でしょうが、韓国にとっては多分地獄の始まりになるでしょう。北朝鮮の金一族がもし崩壊したとしても、国としてのインフラが完全にぶっ壊れています。

  共産主義国際優等生であった東ドイツでさえ4~5倍の経済格差があり、西ドイツの経済的地盤はかなりしっかりしていましたが、それでも大変な苦労をしました。それが朝鮮半島と比べると無事に済むはずがありません。一体どの位の経済格差があるのでしょう。

   

  韓国自体はすでに経済破綻になりそうですから、経済格差について少しは差が縮んだかもしれませんから、ちょうどいい機会かもしれませんが、それでも、天文学的差はついて回ります。

  日本にとっては非常に迷惑千万な話です。まさに非韓三原則に沿った対応をするべきです。日本は関心を持ちませんから、好きなように自分自身で頑張ることを学びましょう。

  9月9日、北朝鮮は何のアクションも今のところ起こしていません。昨日アメリカの原子力空母・ロナルド・レーガンが横須賀基地を出港しています。

   

  トランプ大統領は「何かあったら軍事行動は選択肢の中に入っている」と述べています。北朝鮮の建国記念日の維持行動として、日本通過ICBMを日本は警戒していると。今日の産経新聞の一面に、警告しています。日本は今分岐点に差し掛かっています。

 


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