臓器移植法改正案:「脳死は人の死」採決を 9団体が声明
日本移植学会(寺岡慧理事長)など9団体は26日、緊急の合同会議を開き、国会で審議中の臓器移植法改正案について、脳死を人の死として年齢制限を撤廃する「A案」の速やかな採決を求める声明を発表した。
改正案は脳死の判定基準を厳格にする案など3案が提出されており、今国会での採決を目指し修正案も検討されている。同学会などは「このままでは法改正の時間切れを招く。これ以上患者を犠牲にしないよう要望する」とした。
人間はいつかは死ぬ事に決まっているものである。
自分の臓器で生きる事ができなくなったら、それがその人の天命の時と、
臓器移植が可能になるまでは、誰でも神妙に受け入れてきていた。
なにも人の臓器を取ってまで生きなくてもという気がしてしまう
当事者になったら何とかしたい、してあげたいと私自身も思うかもしれないけれど、
永遠に生きる人などありはしないのだから、どこかで線を引かざるを得ないのだから・・・・・
私が臓器移植を忌み嫌う理由はもう一つ有る。
昔NHKのドキュメンタリー番組で見たことがある。
それは貧しい国の貧しい人から、腎臓など2つある臓器を、日本円にしたらわずかな金額で買っていると言う話だった。
貧しい人はそのお金を手に入れたら、
それを資金に事業を始めようと、夢を膨らませて臓器を売る事にしたのだけれど、
それまで当たり前と思っていた健康は、
臓器をとった業者が、予後しなければならない手当てなど、必要なケアをしてくれない事もあって、
日に日に衰弱していって、受け取ったお金も、薬代にせねばならないという、
貧乏でも健康だけは有った人から、健康まで奪ってしまうというような悲惨な、
臓器提供者の実態を映したドキュメントであった。
表のニュースにはならないけれど、治安の乱れた国では、
臓器を取るのが目的の人攫いや、交通事故死(殺人)などがあるということも耳にする。
中国では死刑囚の臓器を利用しているという話しも聞く。
中国の死刑執行は、殊の外迅速であると聞くが・・・・・
話半分に聞いたとしても、恐ろしい話である。
日本移植学会はこれ以上患者を犠牲にしないようにと、採決を迫っているそうだけれど、
患者は誰かの犠牲になったわけではなく、
天命によって誰でも一度は迎えねばならない死を迎えるだけである。
一方本当に犠牲になる人が出るかもしれない。
貧乏ゆえに臓器を売り渡す事を迫られたり、
子供の臓器を取る目的で、人さらいをする悪人が出ないとも限らない。
これまでは日本では臓器移植がしにくかったから、
どんなに貧乏であっても、臓器まで巻き上げられる事はなかったが、
この法律が通ったら、借金した大人の臓器だけでなく、
子供の臓器が欲しい業者から、借金の支払いに子供をよこせと迫られて、(密約で)その死を容認する親が出ないとは限らない。
そんな事が法律で認められてさえなければ、狙われなかった命が、狙われる事にならないとも限らない。
病弱なお金持ちの子供が、健康な貧乏人の子供の命で、命永らえるということにもなりかねない。
公平の意味から言っても、恐ろしい犯罪を生む土壌を培う危険性から言っても、
臓器移植が横行する事には、私は真底反対である。