今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

反面教師?理想の家庭医?

2008-12-15 22:56:30 | 教育
いろいろなアテンディングがいます

教育スタイル、診療スタイルもまちまち

FMBは、自分とアテンディングの2人でチームを組み

間にシニアレジデントがいませんので、その影響をモロに受けます


インターン仲間の間で、「厳しい」と敬遠されているアテンディングがいます

覚悟はしていましたが、その先生と働いた初日、

昼の12時には「もう無理」と何度もつぶやきながら仕事をしていました

その頃には、困ったことがあっても、気軽に相談できる雰囲気はゼロ

「こんなときにこそ、医療ミスが起きる」と自分に言い聞かせながら、なんとか仕事をこなしていました

たまたま、治療がうまくいかない患者さんが重なっていたという巡り合わせの不運もあったのですが

とにかく、厳しい

プレゼンをしていて曖昧な点があると、「チッ」と舌打ちをされながら説教をされます(内容はあくまで「教育的」なんですけど)

その先生の治療方針に対して、看護士(助産師)が異議を唱えて

間に入った私が、右往左往することも数回

同僚の経験談と全く同じことが、自分にも起きていました


ところがです

たまたまその先生がPCPとしてかかわる患者さんのお産に入ることがありました
         PCP: primary care physician(主治医)


そこでみた彼は、別人のようでした

患者さんと家族にぴたりと寄り添い、励ましながらお産をサポートし

生まれた瞬間には、家族のように一緒に喜んでいました


家庭医として、家族全体にかかわり

お産をしたほうが、家族との結びつきも強くなるのではという

私のイメージする「理想的な家庭医」がそこに・・・


その先生と組んだ2日目には、彼の人当たりにもかなり慣れ

その先生の言動はあくまで「教育」だということをクリアに認識し始めて

「インターンに適度なプレッシャーをかける先生も、ある程度必要だよな~」などと思えるようになりましたが

やっぱりあのプレッシャーは「適度」では無かった気がします


昨晩はたこ焼きとタラの鍋
日本から持参したたこ焼き器が大活躍