今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

お産と新生児ケアのローテーション

2008-12-02 09:50:47 | 臨床留学


12月、1月はFMBのローテーションです


FMBとはFamily Mother and Baby


お産から新生児の診療まで、周産期の入院ケアを担当します


週2回の当直があり、そこそこハードです



初日はほどほどに忙しく

一番最初に担当したお産は、日本人の方で、いろいろと難航したのですが

最終的にはベストの形で無事生まれることができました


普通の入院診療では、屋根瓦式のチームが構成されており、自分の上にシニアレジデントがいるのですが

FMBのチームは基本的に自分とアテンディング(指導医)の2人です


これがこのローテーションでは結構「キモ」だと思います

そもそも産科医療というのはCochrane Libraryが産科のプロジェクトから始まったことからも言えるように

エビデンスにうるさいはずのところですが


現実的には、曖昧なことが多いのです

 

つまり、どのような診療プロトコール、選択をするかどうか、エビデンスが無いことが多い


そしてこの診療スタイルの違いがいくつかのレベルにわたってみられます


すなわち

1.日米の診療の違い~ 詳しくは語れませんが、かなり違うらしいです

2.州、施設による診療の違い~ 例えばミシガン大とハーバード大で診療スタイルがかなり異なるということもありますが、州によって保険のからみや、予防接種、検査の基準も異なります

3.産婦人科と家庭医の違い~ ミシガン大ではかなり密に連携をとっていますので、ここはあまり問題にならないそうです

4.指導医による違い~ マンツーマンのアテンディングが、毎日のように入れ替わりますが、それぞれスタイルが微妙に異なり、レジデントに対する要求もかなり異なるようです

 

幸い初日は、日勤と夜勤、一緒に働いたアテンディング(研修医は24時間勤務、指導医は日勤と夜勤で交代)は、それぞれ若手で、教育熱心かつ相談しやすかったので助かりました


3週目には大御所の先生と一緒に働く機会がありますので


それまでに仕事をおぼえて「使える研修医」にならなければと必死です