一昨日はティーチングの日でした
午後の前半、初期研修医用のセッション
いつもは症例を用意してもらっているのですが、今日は症例がなかったので急遽こちらでネタを考えました
「上気道症状で抗生剤を出す基準を考えましょう」
溶連菌感染症の診断、治療の流れにおける思考プロセスを通じて、以下のような内容を学習しました
1.自称「風邪」に対して抗生剤を処方するときに想定する疾患を列挙
2.それぞれの疾患についておさらい
3.溶連菌への抗生剤治療の効果と害を列挙
NNT(number needed to treat)を学ぶ
4.溶連菌の診断と治療のプロセスを通じて以下を学ぶ
Centorのcriteria
尤度比と事前Odds、事後Odds、事前確率、事後確率の関係 検査閾値(No-treat閾値)、治療閾値
事前確率の見積もり方
尤度比と事前確率や事後確率の話をするとき、問題になるのが
「事前確率を正しく見積もるのが難しいので、こんなのは机上の空論ではないか?」
という疑問です
今回は学習者から自発的にこの疑問が出ました
こういう疑問が出る時点で、その学習者はよく考えているという事です
うれしくなります
確かに、事前確率を数%の誤差で見積もるのは不可能です
でもだいたい1%か、50%か、99%か?
おおざっぱに、事前確率が低いか、五分五分か、高いかの見積もりはそんなに難しくありません
そして自分の検査閾値、治療閾値を最初に設定して
事前確率がどこにあるかを考えれば
そこで検査をするかどうか?治療をするかどうかの決断の為に、尤度比は役に立つのです
検査閾値や治療閾値を自分で考えるところがスタートであり、
そのあと現在の検査前確率とてらしあわせて、検査をするかどうか決める
ここを強調しながら
心筋梗塞に対する心電図検査、バイパス手術を例にしながら検査閾値や治療閾値を実際に設定してもらう練習をしました
確認してみたところ、これまでは
病気があるか無いか?
つまり 1か0か?
という思考プロセスだった研修医が多かったようですが
100%というものは無く、確率で考えていくという思考を知ったことで、彼らの成長曲線が上向くことを期待できるセッションでした
少なくとも私はそう感じました
後日、みんなの思考プロセスがどのようになっているか確認してみたいです
楽しみです
午後の前半、初期研修医用のセッション
いつもは症例を用意してもらっているのですが、今日は症例がなかったので急遽こちらでネタを考えました
「上気道症状で抗生剤を出す基準を考えましょう」
溶連菌感染症の診断、治療の流れにおける思考プロセスを通じて、以下のような内容を学習しました
1.自称「風邪」に対して抗生剤を処方するときに想定する疾患を列挙
2.それぞれの疾患についておさらい
3.溶連菌への抗生剤治療の効果と害を列挙
NNT(number needed to treat)を学ぶ
4.溶連菌の診断と治療のプロセスを通じて以下を学ぶ
Centorのcriteria
尤度比と事前Odds、事後Odds、事前確率、事後確率の関係 検査閾値(No-treat閾値)、治療閾値
事前確率の見積もり方
尤度比と事前確率や事後確率の話をするとき、問題になるのが
「事前確率を正しく見積もるのが難しいので、こんなのは机上の空論ではないか?」
という疑問です
今回は学習者から自発的にこの疑問が出ました
こういう疑問が出る時点で、その学習者はよく考えているという事です
うれしくなります
確かに、事前確率を数%の誤差で見積もるのは不可能です
でもだいたい1%か、50%か、99%か?
おおざっぱに、事前確率が低いか、五分五分か、高いかの見積もりはそんなに難しくありません
そして自分の検査閾値、治療閾値を最初に設定して
事前確率がどこにあるかを考えれば
そこで検査をするかどうか?治療をするかどうかの決断の為に、尤度比は役に立つのです
検査閾値や治療閾値を自分で考えるところがスタートであり、
そのあと現在の検査前確率とてらしあわせて、検査をするかどうか決める
ここを強調しながら
心筋梗塞に対する心電図検査、バイパス手術を例にしながら検査閾値や治療閾値を実際に設定してもらう練習をしました
確認してみたところ、これまでは
病気があるか無いか?
つまり 1か0か?
という思考プロセスだった研修医が多かったようですが
100%というものは無く、確率で考えていくという思考を知ったことで、彼らの成長曲線が上向くことを期待できるセッションでした
少なくとも私はそう感じました
後日、みんなの思考プロセスがどのようになっているか確認してみたいです
楽しみです