今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

おらアメリカさ、いくだ

2007-11-08 06:47:57 | 臨床留学
「ビザもねえ、ECFMG Certificateもねえ、ましてやSTEP3も受かってねえ、そんなIMGは相手にされるわけがねえ」

ジェスチャー付きで、ある外科フェローの先生(IMGあがり)に先月いわれました、勿論英語で

IMGとはInternational Medical Graduate

アメリカ的にいって、外人です

ECFMG certificateとはSTEP1, STEP2CK, STEP2CSを全て合格してから,我々IMGが発行してもらう通行手形のようなものです

背景にあるのは昨今のIMGの供給事情

2年ほど前にイギリスが外国人を閉め出したそうで、今年になって急激にアメリカにインド人が流れ込んでいるという噂

実際、私が訪れた複数のプログラムでは軒並み過去最高の申し込み人数を記録しています

わずか10人ほどのレジデントの枠に、数百人から1000人以上が申し込んでいる状況です

インタビューに呼ぶのが60から100人ですから、その段階で5から10倍ほどの倍率です

選別する方の立場になっても、数百ものアプリケーションを一つ一つ丁寧に吟味するわけがありません

何かの基準で、足切りをするしか無いのです

そしてIMGを足切りする基準で有力なのが「ECFMG certificateをもっているかどうか?」なのです

ということで、冒頭のコメントになるわけです

今の段階でSTEP1だけ合格済み、STEP2CSは結果まち、
STEP2CKはこれからという私は、遅すぎです

「どんだけぇ~、ずうずうしい~」

と思われても仕方が無いところです

さらに、そんな厳しい状況もあり、先月アメリカで会った外科志望のIMGは50カ所以上にアプリケーションを出していました

それなのに・・・

私が申し込んだのは10カ所(少なすぎとのアドバイスを受けて、あとから追加してこの数です)

しかも大学のプログラムで、有名どころばかり・・・

この辺の事情は自分の留学の目的に大きくよるところで、いまさら仕方ありません


でも希望もあります

1.選んだのは日本人フレンドリープログラム中心

日本人採用経験がある病院は、概して日本人に好意的です

先輩方が勤勉で優秀なおかげです

2.多くの日本人は他のIMGと目的が違う

日本人以外は、ほぼ例外無く「アメリカに永住して、良い生活がしたい」というのが渡米の目的です

それに比べて、多くの日本人は「アメリカで学んで帰国する」
というキャリアプランです

私も、家庭医を学んで帰国

日本に家庭医を普及する為に私に力を貸してください!!

その点を強調すれば、受け入れの度合いはぐっと広がるようです

状況の違う外国人の言う事より、「意思あれば道あり」という日本人の言う事を信じてがんばりたいと思います

いくつのプログラムが呼んでくれるのでしょうか・・・