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紙の月 |
角田 光代 | |
角川春樹事務所 |
角田光代 著 : 紙の月
を、読みました。
銀行の契約社員の梨花(41歳)は、約1億円を横領する。
しかし犯罪を犯す梨花は、決して犯罪者然とした女性ではなく
正義感が強く、潔癖で、つつましい生活を送る主婦だった。
何かが少しずつ壊れてゆく姿を描く小説。
怖いっ!恐怖映画なんかよりよっぽど怖いっ。
人が人生を変えてゆくポイントって、その時は
「ここですよ!」って、表示もなくて
気が付いたらいつの間にかたどり着いているもの。
主人公の梨花も、そのポイントを何度も振り返ります。
人生の分かれ道って、本当は毎日毎日、毎分毎分あって
いろんな積み重ねが、現在を形造っている。
そんなことわかっているつもりでも、
こんな本読んだら、自分は大丈夫なんだろうか?て
背筋が冷たくなっちゃいます。
とはいえ、横領するなんて事私にはないな。
だって、そっち方面の頭脳が欠落してるんです。
ほんと、そう云う事考えきれる人ちょっと尊敬してしまうくらいに。