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Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

東京島

2010年09月22日 13時11分05秒 | ベリーの感想文(本・映画)
東京島 (新潮文庫)
桐野 夏生
新潮社


桐野夏生 著 : 東京島
を、読みました。


海で遭難してたどり着いた島は、小さな無人島だった。
清子は夫とその島で救出を待っていたが、
無情にも誰にも気づかれず、時は過ぎて行った。
そして、遭難から3ヶ月後、島には救出隊ではなく、
新たな遭難者、20代の若い男たち23人が流れ着いた。
その後、謎の中国人11人も、この島に捨てられるように
置き去りにされて、東京島の人口は膨れ上がった。
この島で唯一の女性清子と、
人とのコミュニケーションをうまくとれない、嫌われ者ワタナベの
視点から綴られる、サバイバル小説。


絶海の孤島に、突如出現した異常な男女バランス。
清子ははじめ、銀行員の夫を支える貞淑な妻でしたが、
この島で生き抜くことで、本能を呼び覚まし、
本能を持つ男の優位性を悟ります。
ある時は女王の様に扱われ、46歳の女性には
濃厚な官能を味わい、また男たちが繰り返す
壮絶なパワーゲームに翻弄されます。
常に自分の立ち位置、安全、などを素早く計算し、
主導権を逃すまいと立ち振る舞う、主人公清子の
サバイバル本能に、呆れながらも感心してしまいました。


島を脱出し、文明社会に戻る日を夢見る“東京島”の住人達。
さて、彼らはこの島から脱出できるのでしょうか?