オデッサ・ファイル (角川文庫) フレデリック・フォーサイス 角川書店 このアイテムの詳細を見る |
フレデリック・フォーサイス 著 : オデッサ・ファイル
を、読みました。
第2次世界大戦終了後、20年の時が過ぎた西ドイツ。
奇跡の復興を成し遂げた、西ドイツでは大戦中の
ホロコーストは過去のものとなり、歴史の中に埋もれつつありました。
そんな西ドイツのハンブルグに住む
29歳フリールポライターのペーターの夢は、
気楽な金持ちになること。割のいい仕事を要領よくこなし
広場を見下ろすペントハウスに住み、高級なジャガーの
スポーツカーを乗り回しています。
車と彼女、どちらか選ぶならば、車という程ナメ切った
人生を楽しんでいたペーターは、ある事件をきっかけに
大きく変化します。
その事件から、元ナチス親衛隊の救済を目的とした
秘密結社オデッサの存在を追うことになるペーター。
追いつ追われつスリル満点のサスペンスです。
ナチスドイツが犯した最大の罪、ホロコーストについて
激しい怒りを覚えるイスラエル人が登場しますが
日本のかつての罪に、怒りを覚えるアジア各国の
人々はたくさんいるでしょう。
この本の中では、たくさんのユダヤ人がドイツ人個人を
責めることなく、まして当時9歳の子どもだった主人公には
まったく罪がないと言います。同じようにTVで見た
中国や台湾のおじいちゃんは、今の日本人には罪はないと
言っていました。
私はそんな風なもののとらえ方が出来るかな?
許しがたい罪を起こした国のことを、こんな風におおらかに。
許すという心が、沢山の人を大きく変えてゆくのかな?
と、ストーリーとは遠いところでずっと考えていました。