Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

静かな爆弾

2008年06月27日 14時24分36秒 | ベリーの感想文(本・映画)
静かな爆弾
吉田 修一
中央公論新社

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天気     たくさん洗濯干しました

 

吉田修一 著 : 静かな爆弾
を、読みました。

 

夕暮れの公園で出会った、響子は耳が聞こえない女性でした。
ほんの数秒の出会いの後に、また彼女と再会し
俊平と響子は、すぐに親密になってゆきます。
響子とかわされる会話は、ほとんどメモ帳に記す文字。
今まで、言葉のせいで壊れてきた恋愛関係があったことに
主人公俊平は、初めて気がつきます。
TV番組制作という仕事を持つ俊平は、報道の番組で
知っているつもりで知らなかったこと
伝えるべきだという信念を持っていましたが
多忙な毎日に忙殺されながらも、響子との出会いによって
目の前にいる大切な女性にさえ、同じ事が言える
ことを、思い知らされます。

 

言葉を発することがない、無音の世界で生きる
女性が物語を、強く透明な感じにしている気がしました。
主人公は、世界的なテロ事件を題材としたドキュメンタリー番組
を作るなど、グローバルなイメージですが
それでも、住んでいるアパートの人間関係のいざこざとも
無縁ではなく、軽く人間不信を感じてしまうこともあるのです。


情報社会の昨今、情報過多な現状を否めない。
もっとシンプルに生きることが出来たら、
もう少し楽になりそう。それが難しくて、
みんな苦しんでいるんだよな。そんなこと感じた作品でした。