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てのひらの迷路

2008年06月01日 17時14分31秒 | ベリーの感想文(本・映画)
てのひらの迷路
石田 衣良
講談社

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天気      朝は午後は

 

石田衣良 著 : てのひらの迷路
を、読みました。

 

2005年に出版された、石田衣良の掌編小説。
いわゆるショートショートで、一作5ページほどの作品が
24編収められています。


私小説のように、自分の成り立ちなんかを紹介した作品が多く
過去の恋愛や、現在住む家の土地を購入したいきさつなどを
ほんのりとフィクションを織り交ぜ、発表しています。


過去の恋愛の顛末を語った作品、「一人ぼっちの世界」では
別れを切り出した彼女が、最高に理想的な恋人(モデルは著者)に
「あなたは天才的に器用な人だから。」という言葉を残します。
天才的に器用で、仕事も人間関係も、時には家事さえも難なくこなし
おまけに、とても優しくて完璧な人
でも、それは自分の立ち位置を確保しようとしていて
自分と他人との一定の距離感を、常に保ち続けているため。
元カノには、それがどうしても壁に感じて、孤独だったのです。


石田衣良には、この元カノの言葉がぴったりだと感じました。
とにかく、天才的に器用なのです。
気持ちの切り替えも、スイッチがどこかについているかのように
瞬時に切り替え自由で、どこででもすぐに没頭できます。
これは、まさに天才の技だと思いました。
もう一つ、著者に感じたのは、天才的な楽天家。
失敗や、挫折などを元来イメージできない体質なようです。
この二つの才能は、人気作家として君臨してゆくための
大きな要素となっているのは、間違いありません。

とりあえず、私も秀才的な楽天家目指して
努力したいと思います。