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夢を与える 綿矢 りさ 河出書房新社 このアイテムの詳細を見る |
天気 ドライブ日和
綿矢りさ 著 : 夢を与える
を、読みました。
夕子の父は、日仏のハーフで夕子はクオーター。
赤ちゃんのころから、愛くるしい容姿は
大きくなってからも、さらに美しさを増して
子どもモデルの世界から、芸能界へ本格的に仕事を始めます。
夕子を全身全霊でバックアップしてくれる母は
夫との間に問題を抱え、それゆえに夕子との仕事に
のめりこんでゆきます。
しかし、主人公夕子は体だけではなく、
心も健やかに成長した女の子で、中学生になった彼女は
小さな疑問を持ち始めます。
「みんなに夢を与える女優さんになりたいです。」
インタビューのたびに、この言葉を口にするたびに
なにかざらついた違和感を覚えるようになる夕子。
そして、物語の終盤悲しい結末で幕は下りますが
その結末が、人に夢を与えるという事が
どういうことなのかを、物語っています。
私ベリーも、実はずっと思っていたんですよね。
この“与える”って、いかがなもんだろうと。
同じ違和感を、こんなに考えさせられる物語として書いてくれて
綿矢りさありがとう!!という感じです。
事実は小説よりも奇なりと、いいますね。
芸能界って、本当に大変なんだ~。と思った本でした。