部品の品質管理や検査を行う上でも、最終顧客の製品利用シーンを想定すると、結果が大きく変わることがあるようです。
やはりこれも「お客様目線」ということでしょうか。
本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。
「”部品いじめ”で不良品排除 クレーム、1/6に減少」
・アルプス電気が小型スイッチやコネクターなど機構部品の不良品撲滅に取り組んでいる。
・実利用を想定した過酷な条件の検査を出荷の直前に短時間で実施。
・以前は、生産ラインをいくら改善しても、納入後にメーカーからくる不良品のクレームが減らなかった。
・そこで発案したのが、限られた時間で部品を効果的に「いじめる」方法だ。
・利用者の手元で部品にかかる負荷には~など様々な種類がある。どの要素を組み合わせれば不良品を効果的にあぶりだせるか。
・「スイッチを押した感触」などカタログには載らないが利用者は気にする要素も確認するようにした。
(引用:2010/08/04 日経産業新聞より)
とのことです。
一見、難しく取り組むのもおっくうな検査作業のようですが、その効果は絶大。
単価の安い部品であっても、もしも不良品が出た場合は、最終製品の回収コストなど膨大な損失に繋がるおそれを回避することができるようになるということです。
製造者発想の検査や、従来の部品検査ではわからなかった品質や耐久性などが、最終利用シーン、エンドユーザーの使い方を想定して、現実に近い過酷な条件でテストすることで一気に品質改善が進んでいます。
お客様目線での品質検査ですから、カタログ値に載らない要素も考慮することになってきます。
この”部品いじめ”の品質検査は、私の使っているThinkpadの”拷問テスト”に通じるものがあるなとあらためて感心した次第です。
さらに見習うべき点は、生産の上流工程で不良品を排除するために、品質保証部が製品の不具合の出方を知り尽くし、それを回避する設計方法を提案したりしているとのことです。
品質保証部を持つメーカーでも、実際にその業務内容を良く聞いてみれば、お客様からのクレーム対応の窓口となるだけで、”設計”や”製造”部隊との連携がとれていない、情報共有ができていない企業は沢山あるようです。
ぜひ、部門横断的な品質への取り組みを構築して、貴重なクレームのフィードバックを活かせるようにしたいものですね。
さて、あなたのビジネスでも「お客様目線」で検査・テストをしてみると、劇的に品質向上するものがあるのではないでしょうか?