イマカガミ

こころにうつりゆくよしなしごとを・・・

コンサルタントの「質問力」

2008-09-04 18:30:09 | 
を読む。amazonの該当ページ

ビジネス書ランキングでも時折見かけるし、The21という、
これまた誠に検索しづらいタイトルの雑誌でもそんな特集が組まれる次第。
「質問力」というのが話題のようだ。

というわけで読んでみる。
正直、この著者の他の著書であるところの「コンサルタントの現場力」というのは
はずれだったのでごめんこうむろうかと思っていたのだが
話題書のようなので。

ちなみに、どうしてこの現場力が私にとって不発だったかというと、
それは最初の導入部分からして頭に入らない構造をしていたからだ。

1. 多くの企業では「現場力」(定義無し)が重要である。日本の製造業は「現場力」が強い。
2. コンサルタントにとっても「現場力」は重要である。
 (コンサルタントは一般的には「現場」から遠い印象があるので
  この主張には非自明な部分があるが、理由の説明無し)
3. だから企業にお勤めの皆さんに、コンサルタントの現場力をご説明します。(日本の製造業の現場力からの教訓なら分かるが???)
4. 「現場力」とは、「仕組みを作る力」と「やりぬく力」(だったかな?忘れました。)

そもそもタイトルに「コンサルタント」と銘打っている時点で
なにやら鼻につくわけで、その必然性が文中で語られなかったので
最後まで違和感が残った。
時折出てきた、「右脳が左脳をばーっと飲み込んでいる感じがする」という文章も
私には良く分からなかったし。
そういうわけで、読んだもののここで紹介すらしなかったのだ。

話をタイトルに挙げた本に戻そう。

私の率直な感想は、言っていることは大まかな主張のレベルでは共感するが
その詳細は良く分からない、ということだ。
理由は二つ。
1. なんでもかんでも「質問力」にこじつけすぎ。それらを
  質問を通して達成しなくてはいけないことなのかどうか、必然性が分からない。
2. 「XXが必要だ、大切だ」と述べているものの、具体的な実現方法が
  述べられているわけでもないのでコールドリーディングをされているような
  感じを受ける。

1について言えば、例えば、質問力の一つの仮説力の中にはコミットメント力がある、と述べている。
(なんじゃ、こりゃ。)
どうして質問するのにコミットメントする力がいるのか、と読んでいくと、
つまりは「業績目標などに対する相手のコミットメントの真剣さを、質問を通して
明言させることが大切」ということだ。
これは、別に質問者に求められる能力ではない。

もう一つ例を挙げると、「質問の中にストーリーテリングを取り入れよ」とある。
誘導質問でもせよというのか、と読んでいくと、ふたを開けてみると
「質問を通して知った、相手企業の社員の伝説や、思いを汲み取り、
それを理解していることを適当な機会(インタビューの場でなくてもよし。)で
相手に伝えよ。」ということだ。

そういうことです。