イマカガミ

こころにうつりゆくよしなしごとを・・・

放射能について

2011-03-15 19:00:41 | 日記
テレビを見ていると歯がゆい。
例えば、マイクロとミリの違いをしらず、
今までマイクロシーベルトで発表していた放射線量をミリシーベルトにしたとたん、
「我々を欺く行為だ!」と叫んでいるコメンテーターとか。
そんな知識量で報道に関わるなよな・・・。

というわけで、社内ブログに以下の記事を書きました。
コンフィデンシャリティも関係ないし、公共の利益になるのでこちらに転載しておきます。


福島の原発は今のところ決死の努力で一進一退の状況のようです。
反応自体は震災直後に停止されており、今はその余熱を冷ますために
苦心しているという状況です。
その過程で、水がうまく汲めなかったり、水素爆発が起きています。
ただし、反応自体が停止してから既に100時間以上たっていますから、
スリーマイルや、チェルノブイリのようなことにはならないと思います。

ここでは万が一放射性物質が漏れ出した場合のことを書いておきます。
基本的にまだまだ問題ないレベルですし、おそらく乗り切れるとは思いますが、念には念を入れて。

東京に居る場合、危険性があるとしたら、放射性物質の粉塵(灰)が
風に乗って福島から東京までやってきた場合です。
つまり、福島で何か起きた場合、数時間くらいの時差があります。

つぎに、粉塵(灰)がどのように人体に影響を与えるかですが、
大きく3パターンです。

1. 吸い込み、肺の中に入り込み体内から被爆する(これは最も避けるべき)
2. 皮膚に付着し、体外から被爆する
3. 壁や地面に付着した粉塵により被爆する

繰り返しになりますが、原子炉が停止している以上、それほどたいした量ではありません。
が、万全を期すという立場で対策を書くと、

1. 家の中で換気扇を止める。外出時はマスクをする。雨に濡れないよう十分注意する。外出後、服をはたく。うがいをする、シャワーを浴びる(花粉症対策と同じですね。)
エアコンを使わない、屋外の洗濯物や植物を部屋の中に入れない。
水道水は飲まない
2. 1と同じです。
3. 家の中を締め切り、カーテンをする。どうしても心配なら、お湯を張った浴槽に浸かっていてください。(後半はジョークです。)

東京に居る場合(原子炉から遠く離れている場合)一番怖いのはα線という
ヘリウムの原子核と、中性子ですが、アルファ線についてはガラスやカーテンで簡単にさえぎることが出来ます。
(このくらいのエネルギーレベルなら。間違っていたら誰か訂正してください。)
中性子については、ウランでも身近にないと出てきません。
少なくとも、風呂に入っていれば大丈夫です。
水分子の中には単位体積あたりで中性子が多く含まれており、
高速中性子を減速させる働きがあります。

では、原子炉で今も必死に戦っている、そして総理大臣の意味の無い訪問でかき回されてしまった現場の人の健闘を祈ります。

(追記)
検出された放射線量がミリシーベルト単位になったそうです。(15日12時時点報道)
参考までに放射線量と人体への影響をまとめた図を引用しておきます。
つまり、数百ミリシーベルトだと、一時的に人体に影響が出始めるレベル、ということです。(致死量ではありません。)
放射線量と人体への影響

(追記2)
3/15に検出された放射線は、ガンマ線(=電磁波。紫外線よりももっとエネルギーが高いもの)のようです。
一番破壊力の少ないタイプの放射線です。
これなら、カーテンで十分遮蔽可能ですね。
東京電力発表による放射線量


以上が引用。

これは福島の塵がどうやって東京に来るか、という問題でして、
福島の空気が東京に来るとして、それは東京まで来るに従い大気中に拡散していくため、
濃度や放射線量は次第に下がっていく。
さらに、福島-東京間の距離は数百キロあるため、原発正門(まあ、多めに見て炉から1キロとしましょうか。)に比べ
1/数百^2 = 数万分の1くらいになるはずです。

もし、東京で人体に影響が出るくらい(数百mSv)だとすると、原発の辺りは数百万mSvとなるわけですが、
それはありえないレベルの数字だと思います。

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