またまた地元の信濃毎日新聞からのネタです。
温暖化で桜などの開花は早くなり、紅葉は遅くなっているという気象庁観測についての記事。
具体的なデータが表になっていますが、ツバキやタンポポ、サクラなどの開花の方は「早まり」、そして紅葉や落葉の方は「遅まり」とまとめてあります。
.....「遅まり」???
皆さん違和感ありませんか?
私は思わず「そんな言い方しないだろ!」と声に出してしまいました。
「早まる」はあっても「遅まる」なんて聞いたことないぞ.....。
この場合「早まり」に対しては「遅れ」ではないのか.....。
辞書を引いても「遅まる」は載っていません。
さっきから苦労しているようにワープロも「お染まる」としか変換してくれません。
でもなぜ「早まる」は使うのに「遅まる」はないのか?
ということで、他の「形容詞+まる」も探してみました。
以下、○は普通に使われるもの、×は聞いたことがないもの。
もちろんすべて私の独断です。
強まる...○ 弱まる...○
広まる...○ 狭まる...○(ただし読みは「せばまる」)
高まる...○ 低まる...△(ビミョー)
深まる...○ 浅まる...×
近まる...○ 遠まる...×
薄まる...○ 濃まる・厚まる...×
暖まる...○ 涼まる...×
「~まる」を「~める」に変えて他動詞にしても同様です。
「低まる」は「低める」の方が○に近い気がしますね。
片方だけ○というパターンが結構多いのが不思議です。
「大きい・小さい」「多い・少ない」など頻繁に使う形容詞が、両方とも「~まる」を伴わないのも不思議ですね.....。
歴史的には形容詞にいきなり「まる」が付いたというより、「強む」「広む」などの形を経て「強める」「広まる」になったと考えるべきでしょう。
そうすると「涼し」→「涼む」→「涼まる」も不自然じゃないかな?
体や心が「やすまる」というとき、どういう漢字を使いますか?
「休まる」と書くことが多いのではないでしょうか。
私も何の迷いもなくそう書いてきましたが、今回いろいろ調べて考えが変わりました。
「安し」(値段じゃなく安心、安全などの意)→「安む」→「安まる」という流れを重視すべきではないか。
「休む」ももとは「安む」ではなかったか.....と思うのです。
「静か」→「静む(鎮む)」→「静める(鎮める)」と同じように.....。
ところで私が違和感を感じる「遅まる」「遠まる」なども、検索をかけてみると意外に使われているようで驚きました。
特に詩や俳句などの世界では多いようですね。
ということで今日の記事は、気になる日本語にイチャモンをつけるというより、それを追究する中で出会った新たな発見についての話でした。
あ、そう言えばよく使う「○○まる」、もう一つ忘れてました。
そう、「○○」=「まるまる」=「丸まる」!
.....おあとがよろしいようで.....。
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温暖化で桜などの開花は早くなり、紅葉は遅くなっているという気象庁観測についての記事。
具体的なデータが表になっていますが、ツバキやタンポポ、サクラなどの開花の方は「早まり」、そして紅葉や落葉の方は「遅まり」とまとめてあります。
.....「遅まり」???
皆さん違和感ありませんか?
私は思わず「そんな言い方しないだろ!」と声に出してしまいました。
「早まる」はあっても「遅まる」なんて聞いたことないぞ.....。
この場合「早まり」に対しては「遅れ」ではないのか.....。
辞書を引いても「遅まる」は載っていません。
さっきから苦労しているようにワープロも「お染まる」としか変換してくれません。
でもなぜ「早まる」は使うのに「遅まる」はないのか?
ということで、他の「形容詞+まる」も探してみました。
以下、○は普通に使われるもの、×は聞いたことがないもの。
もちろんすべて私の独断です。
強まる...○ 弱まる...○
広まる...○ 狭まる...○(ただし読みは「せばまる」)
高まる...○ 低まる...△(ビミョー)
深まる...○ 浅まる...×
近まる...○ 遠まる...×
薄まる...○ 濃まる・厚まる...×
暖まる...○ 涼まる...×
「~まる」を「~める」に変えて他動詞にしても同様です。
「低まる」は「低める」の方が○に近い気がしますね。
片方だけ○というパターンが結構多いのが不思議です。
「大きい・小さい」「多い・少ない」など頻繁に使う形容詞が、両方とも「~まる」を伴わないのも不思議ですね.....。
歴史的には形容詞にいきなり「まる」が付いたというより、「強む」「広む」などの形を経て「強める」「広まる」になったと考えるべきでしょう。
そうすると「涼し」→「涼む」→「涼まる」も不自然じゃないかな?
体や心が「やすまる」というとき、どういう漢字を使いますか?
「休まる」と書くことが多いのではないでしょうか。
私も何の迷いもなくそう書いてきましたが、今回いろいろ調べて考えが変わりました。
「安し」(値段じゃなく安心、安全などの意)→「安む」→「安まる」という流れを重視すべきではないか。
「休む」ももとは「安む」ではなかったか.....と思うのです。
「静か」→「静む(鎮む)」→「静める(鎮める)」と同じように.....。
ところで私が違和感を感じる「遅まる」「遠まる」なども、検索をかけてみると意外に使われているようで驚きました。
特に詩や俳句などの世界では多いようですね。
ということで今日の記事は、気になる日本語にイチャモンをつけるというより、それを追究する中で出会った新たな発見についての話でした。
あ、そう言えばよく使う「○○まる」、もう一つ忘れてました。
そう、「○○」=「まるまる」=「丸まる」!
.....おあとがよろしいようで.....。

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桐先生、むちゃくちゃ面白かったです。
いや~、面白かったです。
こういう話、大好きです。
また来ま~す。
やっとThere is(are)構文の解答編、upしました!
「遅まる」というのは、テレビの天気予報などでも、何度か聞いたことがあります。
今、私もそのまま変換できるか試してみましたが、できませんでした。 「早まる」は一発で変換できましたけど。 さすが正しい日本語のATOK!
「○○」・・・平安貴族が使ったら「まろまろ」・・・なんてつまんないですねf(^^;)。
おあとがよろしくないようで。 失礼!
一つだけですが、狭まるについて。
関西では狭めるのほうが普通に使っているのかもしれません。関西のほうって単なるニュアンスで送りがなを使っているのでしょうかねえ。
気に入っていただけたようで何よりです。
コメント欄閉められてしまったのでお邪魔できなくて寂しいです。
またお越しください!
そうですね。「遅まる」の使用例は天気関係が圧倒的に多いようです。専門用語でしょうか?
「○○」=「まろまろ」、受けました!
え?自動詞の場合でも「狭める」を使うということですか?それとも読みは「せばまる」で表記が「狭める」ということ?
謎が深まってしまいました.....。
どちらでも同じ使い方です。
たぶん低脳な(怒られるかなあ、自分も含めて)関西人はそういった区別ができないのかもしれません(笑)。
「そのままにする」と「捨てる」の両方も「ほっとく」という言葉ですませるぐらいですから。
北摂は別文化圏?
~まるの例題をじぃーと見ていて、「まる」を「める」に変えても意味が通じるのに、「近める」って言いませんよね。不思議じゃぁ。
これでも怒られるかなあ(笑)